俳優坂口健太郎(31)が31日、大阪市内で行われた主演映画「サイド バイ サイド 隣にいる人」(伊藤ちひろ監督、4月14日公開)の取材会に出席した。

そこに存在しない“誰かの想い”が見える力を持ち、傷ついた人々を癒やす謎の青年を描く物語。リアルとファンタジーが混在した今作について、坂口は「余白の部分を大事にした作品だった。1つ1つを説明して1つの終着に持っていく作品もあるが、今回はあえて言語化せずに、見ていただく方の感覚を大事にしてほしい」とPRした。

伊藤監督から主人公の未山について共演者によって変化する「鏡」のような存在でいてほいしいとの要望に「台本をいただいた段階で自分なりの未山像をつくったが、クランクインしてから未山像を手放した」と振り返った。

原案、脚本の伊藤監督が坂口を主役と決め、当て書きした作品。取材会に出席した伊藤監督は「坂口健太郎という役者は物語の強度を高めてくれる。奥にある背景を豊かにしてくれる役者さんという思いがあった」。

“見える力を持つ”役を任せたいと思った理由について「未山は霊感というよりも、人の気持ち、そこに漂っているもの、動物の気持ち、すべてのことを敏感に感じ取ることができる。坂口さんは全体を読み取る力が瞬時にできる。人間としてのエネルギーがあり、感受性が強い」と説明した。

撮影現場では主演として、さりげなく気配りし、共演者とも絶妙の距離感を保ったという。伊藤監督は「空気を読むのがすごい。空気清浄機みたい。すごく感度のいい空気清浄機なのかと思うときがあった」と明かすと、坂口は「すごい、良いこと言ってくれますよね」と照れた。