北野武監督(76)の6年ぶりの新作となる映画「首」(今秋公開)製作報告会見が15日、都内で行われた。製作のKADOKAWA夏野剛社長(58)は冒頭であいさつで「製作費15億円は、全てうちが出している大作」と、総製作費が15億円だと明かした。

夏野社長は、前会長の角川歴彦被告が22年9月に東京オリンピック(五輪)汚職で逮捕、起訴された件を踏まえたのか「最近、私は謝罪会見が多い。今日は久しぶりの、うれしい会見で」と笑みを浮かべた。そして「『首』は日本が世界に誇る才能・北野監督の待望の新作であり大作。いつか映画化したいと長年、構想し、ご自身で原作小説と、脚本も書いた思い入れのある作品で、ご一緒できるのがうれしい」と語った。

夏野社長は、一足先に本編を見たといい「黒澤明監督の『七人の侍』『影武者』に通じるスケール感、シェークスピアのような悲劇性も併せ持った、今までの時代ものとは違う希有(けう)な作品。本当に才能とオリジナリティーがあふれている」と評した。そして「弊社は今後、日本国内にとどまらず、海外においてのヒットを見据えた大作映画に取り組んでいきたいと思っております」とKADOKAWA映画の方向性を改めて口にした。その上で「この作品を世界に向けて自信を持って送り出すことを、観客の皆さんにお届けできることを大変うれしく、喜ばしく思っております」と力を込めた。