オートレーサーの森且行(49=川口)が13日、京都府で行われた「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」内での「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」(穂坂友紀監督、公開中)の舞台あいさつに出席し、レースにかける思いを語った。

21年1月にレース中の落車事故で重傷を負った森が復帰を目指す2年間を収めたドキュメンタリー作品。森はこの日、穂坂友紀監督とともに登壇した。4月に復帰後初出走したレースについて、監督が「ぶっちぎり1着をとるとは思わなかった」と驚いた表情で話すと会場は拍手に包まれた。

森は負傷当時「歩けなくなるかも」と復帰が遠く感じたと吐露。治療にあたった九州大学病院の籾井健太医師から「(森と同様の手術をして)走れるまで回復した患者を見たことがない」と厳しい言葉をかけられたことを回想した。

2人は2年間の撮影期間を振り返り、監督が「森さんは顔で語る男」と森の表情を見ただけで「声をかけていいかがわかる」と表情から本人の思いを読み取れることを語った。

森は「レース場にいる時は忙しいから(声をかけられると)調子に乗るし、整備中の声かけは(目の前の)やってることが中途半端になるからダメ。声かけないでください」と集中しながらレースに臨む姿勢を明かした。

監督は現在も撮影中で、森は「監督から復帰戦後に優勝戦に乗った(出走した)ら撮影していいか」と聞かれ「いいですよ」と伝えたという。ただ「2回(5月6、9日)連続で優勝戦に乗ったから(撮影に来た)監督がウザくて」と笑わせ、続編についても触れていた。【中島麗】