芸能界デビュー60周年を迎えた女優で歌手の中尾ミエ(77)が6日、「喜寿」となる自身77度目の誕生日に東京・丸の内コットンクラブで「中尾ミエ 77th birthday live No Time At All~人生もっともっと楽しまなくちゃ~」を開催した。

オープニングはバンドメンバーの演奏で登場。「Welcome to my show」で口火を切ると、会場は祝福の拍手で包まれた。勢いそのまま「帰って来た女へ」と自身の大ヒット作「可愛いベイビー」を披露。客席から手拍子と声援の一体感が生まれた。

MCでは芸能生活を振り返り、77歳の誕生日と60周年記念の節目で初のソロコンサートを開催したと説明。本公演のテーマとして「中尾ミエだからこそ歌える彼女のありのままの人生観を伝える心に響く楽曲」を掲げた。

バックミュージックにテレビ番組「ザ・ヒットパレード」のテーマ曲が流れると、黄金時代の懐かしいポップスPop,s medley(ボーイハント~アイドルを探せ~夢見るシャンソン人形~バイバイバーディ~この胸のときめきを)、シャボン玉ホリデーのテーマ曲が流れるとザ・ピーナッツ、クレイジーキャッツとともに一時代を築いた仲間とのエピソードを語り、同志達と歌った「stardust」を熱唱した。観客も全盛期をほうふつとさせる魅力的な歌声に酔いしれ、懐かしさを感じているようだった。

中尾は自身の活動を振り返る中で、各国(ブラジル、ギリシャ、ルーマニアなど)の音楽祭を通して多くの経験を積んだことを明かした。その時の描写は今なお鮮明にあり、良き思い出として記憶されている。

その中でも特に日本の音楽祭(合歓ポピュラーフェスティバル)で槇みちるが歌った曲は強烈に覚えている。パフォーマンスに聴き惚れ込み、のちに自らカバーを志願をした逸話もある。その楽曲は「片想い」で、中尾らしいアレンジを加えこの日に披露された。

その後のMCでは「人生、新しいことを始めるのに遅過ぎるということはない。成せばなる」とファンに伝えた。その言葉はミュージカル「ピピン」で空中ブランコに挑戦し、歌への思いが再燃。70代でCDを制作した過去を持ち、77歳でもなお第一線として活躍している中尾だからこその説得力があった。そしてそのアルバムから新曲「No Time At All あっという間に」披露し、ファンを自身のライブの世界に引きつけ、会場のボルテージは最高潮に達した。

さらに、ゲストとして尾藤イサオを呼び込むと会場からは拍手が起こる。往年のスターによる共演は日劇ウエスタンカーニバルで歌って以来。中尾プロデュース・主演を務めた「ザ・デイサービス・ショウ」の「クレイジージージー」と「Rock,n,roll medley(全5曲)」をセッションし、バンドとのグルーブ感満載の演奏で一気に熱が上がったところを最後は「いつも心にある歌は」で締めくくった。

そして、拍手の中アンコールで再び登場した中尾は名残惜しくも、アンコール曲「誰かがあなたを愛しているから」を熱唱。長年一緒に作り上げてきたバンドメンバーと共に有終の美を飾り、最高のバースデーライブの幕が閉じた。

▼セットリスト

1.Welcome to my show

2.帰って来た女

3.可愛いベイビー

4.Pop,s medley

ボーイハント~アイドルを探せ~夢見るシャンソン人形/バイバイバーディ~この胸のときめきを

5.stardust

6.片想い

7.三つの自画像

8. No Time At All あっという間に

9.クレイジージージー

10.Rock,n,roll medley

All Shook Up /Jailhouse Rock /ルシール /悲しき願い /Can't Help Falling In Love /Blue suede shoes

11.いつも心にある歌は

EN. 誰かがあなたを愛しているから(5〓10) ※新曲

▼バンドメンバー

中尾ミエ(vo)・山口健一郎(b)・宮崎まさひろ(ds)・塚田剛(g)・杉本健(p)・柳澤香(key)

▼特別ゲスト:尾藤イサオ

◆中尾ミエ(なかお・みえ)本名・中尾美禰子(みねこ)。1946年(昭21)6月6日、福岡県生まれ。61年渡辺プロと契約。62年、16歳で発売した「可愛いベイビー」の大ヒットにより紅白歌合戦出場。その後、伊東ゆかり、園まりと「スパーク三人娘」を結成、お茶の間の人気者となる。映画やドラマ、歌手としても活躍。趣味・ソーシャルダンス、タップダンス、水泳、書道。