毎年恒例となった、お笑いコンビ、エレキコミックやついいちろう(48)が主催する「YATSUI FESTIVAL2023」が今年も、6月17と18日の両日、東京・渋谷の8会場で開催される。

このほど、やついが都内で会見し、今年のフェスの見どころなどを語った。

やついフェスは、音楽からお笑い、あらゆる表現者が集う、日本でもっとも出演者の裾野が広いフェスだ。今年も、とんねるず木梨憲武(61)をはじめ、238組が出演する。

今年で12回目を迎えるやついフェスは、コロナ禍でも、オンライン開催などを行い、休むことはしなかった。やついは「今年は観客もいわゆるフル企画でのライブになります。今年はなんと木梨さんが出てくれることになりました」と語った。

木梨の出演は、ともに冠番組を持つTBSラジオがきっかけ。やついがライブの告知のために木梨の番組に出演したところ、ゲストがヒロミだった。ヒロミの妻の松本伊代が同フェスに出演したこともあり、話の流れで木梨も出てくれることになったという。「木梨さんに出てくださいとお願いしたら、おとこ気を見せてくださいました」。その後、なぜか所ジョージの家に遊びにいくことになり、所がエレキコミックとラーメンズ片桐仁のお笑いユニット、エレ片のために、歌を作ってくれたという。「『エレ片の唄』でそれをみんなで歌おうという話になり、木梨さんがステージで初披露してくださいます」と話した。

この人脈の広がり方が、やついフェスの魅力だ。やついの交流は幅広く、お笑いタレントはもちろん、ミュージシャンから文化人まであらゆる人が参加。渋谷エリアを連動して行うエンタメフェスで、1日の出演者数は日本最大級を誇る。12年にはきゃりーぱみゅぱみゅや小室哲哉、13年はTRF、16年には南野陽子や泉谷しげる、18年はザ・クロマニヨンズや水前寺清子、のん、永井真理子など、ミュージシャンも幅広い層を誇る。

これだけの出演者が集まるのは、やついの人望でもある。今回出場するアイデンティティ田島直弥が「6年前に出ましたが、渋谷周辺のめし屋さんの券をもらえるのがすごくうれしい」と話すと、見浦彰彦は「やついさんの手書きのメッセージカードに感動しました」と暴露した。吉川友も「やついさんからいただいたお手紙は今も、机の中にしまってあります」と言う。

今回のフェスの出演者は238組。これだけの数の手紙やメッセージカードを手書きで書くだけでも大変だが、こんな細かい気遣いをするからこそ、多くの出演者が集まるのだとも思う。

もちろん、やついの本業はお笑い。だが、音楽好きなところから、友人のシンガー・ソングライター曽我部恵一の勧めでDJを始め、05年には「COUNTDOWN JAPAN」でDJデビューを果たした。エレキコミックとしてのお笑いに加え、音楽イベントのDJでも忙しく、俳優業もそれに加わる。NHK朝ドラ「ひよっこ」で存在感を示したことから、引き合いも多い。今クールもテレビ朝日系「日曜の夜ぐらいは…」にも出演している。

いわゆる本人の芸域の広さが、人脈の広さにつながっているようだ。そして、お笑いから音楽、文学、あらゆるエンタメに精通している引き出しの多さが、やついの魅力を加速させていると思う。【竹村章】