5月に81歳で亡くなった上岡龍太郎さんを追悼する特番「さようなら 上岡龍太郎さん」が11日夜、ABCテレビ(関西ローカル)で放送され、キダ・タロー(92)間寛平(73)桂南光(71)岡部まり(63)石田靖(57)ら、ゆかりの芸人が偉大な才をしのんだ。

上岡さんがかつて師事しようとした故桂米朝さん一門の落語家、南光は、上岡さんが引退後の07年に読んだ故横山ノックさん「お別れ会」での弔辞について「引退後の芸の集大成ですね。もう、皆を感動させて、笑わせて、言葉を腹に入れて、話してますからね」などと語った。

上岡さんは、漫画トリオ時代から、ノックさんを敬い、慕っていた。ノックさんの懐の深い人柄、芸風に感服しており、その思いを弔辞にぶつけたが、ときおり「ゴルフは下手」などと“緩和”の笑いをはさみこんでいた。その話術を「引退後の芸の集大成」と表現した。

また、南光は、上岡さんが記した小林一茶の句への思い出も吐露。上岡さんは00年3月に著書「引退」を残して、芸能界から身を引いたが、南光は同著に上岡さんが記したサインを紹介。そこには、小林一茶の句「露の世は露の世ながらさりながら」と書かれていたという。

一茶が娘を亡くした際によんだ歌で、上岡さんはその背景を説明した上で「そういうこっちゃ、だけ言われて…」と振り返った。