宝塚歌劇団花組トップ柚香光(ゆずか・れい)主演の花組公演「鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)」「GRAND MIRAGE!」が7日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。

「鴛鴦-」は片岡千恵蔵主演のオペレッタ映画を原作にした、宝塚では異色作。前作まで2作連続、軍服姿でファンを魅了した柚香が一転、げた、雪駄(せった)に着流しで、いなせな浪人にふんした。

ノーブルさが特長のトップが、長屋暮らしの貧乏浪人・浅井礼三郎に-。「頭をからっぽにして楽しんでもらえると思います」。柚香は開幕前の取材でも、楽しみながら稽古を重ねていると言い、和装でコメディーに臨んだ。

今作は、小柳奈穂子氏の潤色・演出。柚香は、劇中セリフ「とかくこの世はままならぬ」を物語の核にあげ、肩の力を抜いて礼三郎を表現。傘を手にした踊りも披露した。

礼三郎に恋する隣家の娘お春にトップ娘役星風まどかがふんし、そこへ骨董(こっとう)品好きの殿様がからんで繰り広げられる恋のさや当て劇。殿様は2番手スター永久輝せあが好演した。その弟は年々、組内でも重みを増す美形スター聖乃あすかが演じて、華を添えた。

ショーは、岡田敬二氏のロマンチック・レビュー・シリーズ22作目。柚香、星風の劇団きってのダンサー・コンビに、永久輝、聖乃や、本拠地作では花組復帰となる人気スター綺城ひか理、専科から紫門ゆりやらが出演。華やかで麗しい宝塚歌劇王道のレビューでわかせた。

開幕前日の6日には、最終の通し舞台稽古を行い、柚香は「こうして、無事に通し稽古を終えられ、あす初日を迎えられますこと、心から感謝しております」。前組の星組公演で休演が続いただけに、今公演の幕開けに感謝。「花組生全員で、ここにいない(休演の)花組生の思いも、私たちがしっかりと胸に抱いて、1日1日、大切につとめてまいります。どうぞ、千秋楽まで、応援のほど、よろしくお願いいたします」と完走を誓った。

宝塚大劇場は8月13日まで、東京宝塚劇場は9月2日~10月8日。