英ロックバンド、クイーンのボーカルで、1991年に亡くなったフレディ・マーキュリーさんのゆかりの品々が6日、英ロンドンで競売にかけられ、予想をはるかに上回る総額1540万ドル(約22億3300万円)の売り上げを記録したことが分かった。

ウォルストリート・ジャーナルによると、遺品約1500点の中から初日は59点が出品され、その多くが予想落札額の2倍の値で落札されたといい、ファンの高い関心が集まっている。

主催のオークション会社サザビーズによると、世界61か国から14万人のファンと入札者が英ロンドンのオークション会場を訪れたという。目玉となった「ボヘミアン・ラプソディ」を含む数々のヒット曲の作曲に使っていたヤマハ製小型グランドピアノは220万ドル(約3億1900万円)で、「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞を文を練って推敲(すいこう)した際の手書きメモは170万ドル(約2億4650億円)でそれぞれ落札されたという。遺品の多くは、マーキュリーさんの死後ほぼ手つかずの状態でロンドンの自宅に保管されていたもので、生前コレクションしていた日本の陶磁器なども含まれているという。

オークションはオンラインを含めて6回に分けて行われ、収益の一部はクイーンのメンバーと共にマーキュリーさんが創設した慈善団体「マーキュリー・フェニックス・トラス」と「エルトン・ジョン・エイズ基金」に寄付されるという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)