来年7月7日に、宝塚歌劇団月組トップ月城かなとと、同時退団を発表した同組トップ娘役の海乃美月は26日午後、兵庫県宝塚市の劇団施設で、退団会見を開催。月城から卒業意志を伝えられた後、自身の進退を委ねられたことへ感謝の思いを口にした。
月城からは、本拠2作目の公演中に「5作で退団」の意向を告げられた。
「私の宝塚人生をすごく尊重してくださり、考える時間をくださった。私がこの先、どう歩んでいきたいか。あらためて考える時間をくださった」
海乃は「月城さんは自分のことだけではなく、月組の今まで、歴史を思い描いてらっしゃった。この流れにのって、私も続きたいと思いました」と、月城に添い遂げる思いを再確認したという。
海乃は11年入団。月城が21年8月、月組トップに就いた際、相手娘役に迎えられた。月城との学年差は2年、娘役としては遅咲きの11年目での就任となったが、気品のある舞台姿で、ヒロイン経験も豊富、スカートさばきなど娘役芸にたけ、優雅なダンスでも、月城を支えてきた。
もともと、月城と同時に退きたい思いはあった。
「月城さんは、1度立ち止まって考える時間をくださった。本当にありがたい。そして、今、一緒に卒業できることになり、今はとても幸せです」
本拠地4作目となった「フリューゲル-君がくれた翼」の稽古が始まる前、今年6月下旬か7月初めごろに、月城に同時退団の決意を伝えた。この期間は、迷いではなく、自分の思いに向き合う再確認の時間だったという。
相手娘役に迎えてくれた月城には「人生の師匠のような存在。とても愛のある方。ご一緒させていただいて、幸せです。卒業まで残り9カ月ほどしかないんですけど、月城さんがおっしゃる一言一言を大事にしていきたい」と言う。
宝塚音楽学校入学から数えれば15年。振り返って「舞台のことはもちろん、人として、1人の人間としてとても成長させていただいた場所。この唯一無二な場所は、退団しないと、説明しきれないのかもしれません。本当に愛にあふれた、すてきな場所です」。
退団日は来年7月7日。七夕に、尊敬する月城とともに、宝塚を退くことに「(日付には)驚きました。日程までロマンスにあふれ…。すてきな日に卒業させていただき、本当に幸せです」と笑みをこぼし、何度も「幸せ」を繰り返した。
サヨナラ公演は、来年3月29日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」。同公演の東京宝塚劇場千秋楽をもって、月城と添い遂げる。