テレビ東京は28日、都内の同局で定例社長会見を行い、石川一郎社長が故ジャニー喜多川前社長の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所について、社内でヒアリング調査を行ったことを明かした。

約1カ月かけて検証を行ってきたといい、石川社長は「OBも含めていろんなヒアリングをしてきました。その過程でいろんなことがわかりました。これまでも何度も週刊誌等で報道が出ており、国会でも政府側に質問が出ています。その当時の答弁も読みました。最高裁での判決も出ています」と語った。

その上で「いずれの過程も残念ながらテレビ東京は報道することはありませんでした。それはひとえに忖度(そんたく)うんぬんではなく、この問題が芸能界の深刻な人権侵害だという問題意識がなかったので報じなかったのが正直なところかなと考えております。きちんと人権問題として取り上げるべきだったことにつきましては我々としても十分反省して今後の活動にいかしていきたいと思います」とした。ヒアリングは報道局を中心に行い、結果について番組などで公表することはしないという。

また9月14日にはジャニーズ事務所の東山紀之社長宛てに石川社長名義で文書を届けたことも明かした。「具体的にガバナンスはこうしたほうがいい、補償はこうがいいというようなものを文書にしました。タレント起用は現在契約分は続けるが、新たな起用については極めて慎重に判断すると伝えました。会社名の変更もそれまでも口頭で伝えてきましたが、文書でも伝えてあります」と語った。

タレントの起用についてはNHKが「新規の起用は当面行わない」などと姿勢を明らかにしている。石川社長は「NHKと同じ対応です」と明言。その上で10月2日に同事務所が再び行う記者会見内容を注視していく構えだとし「発表をみて今後の対応を考えることになると思います」とした。