フジテレビは29日、東京・台場の同局で9月の定例社長会見を行った。
港浩一社長(71)が、ジャニー喜多川氏(19年に死去)の性加害問題を認めたジャニーズ事務所に対し、申し入れを行ったと明かした。
港社長は「ジャニーズ事務所は先日会見を行い、創業者の性価害の事実を認め謝罪し、新たな体制の下、被害者への補償・救済と再発防止を実施していくことを発表しました。性加害が決して許されないのは当然のことであり、フジテレビとしてはジャニーズ事務所が被害者への補償・救済と再発防止に徹底して取り組むよう注意深く見守りながら2度と人権侵害がないよう要望している」と切り出した。
さらに「ジャニーズ事務所に対して再発防止と被害者救済について『スピード感を持ってしっかり対応してほしい』『社名変更が必要だと考えているので検討してほしい』『救済会社とタレントのマネジメント会社に分離する案を検討してほしい』などという内容の申し入れを行っています」と打ち明けた。
キャスティングに関しては「被害者への対応が着実に実施されていることを確認しながら、適切に判断することで視聴者の方々に楽しんでいただける番組作りをしていきます。いずれにしてもジャニーズ事務所は10月2日に今後の方針を明らかにすると発表していますので、それを待ちたいと思います」と語った。
新規のキャスティングについては、編成担当の大多亮専務(64)が語った。「あらためて、ジャニーズ事務所がどういう対応になっていくのかを注視しながらも、継続ということになります。10月改編はこれから。新規のキャスティングはありませんけど、今後の動きを見ながらということになります。現時点では起用をただに止めることはありません」と明かした。
今月14日、編成制作局長が、ジャニーズ事務所の幹部に直接会って口答で申し入れを行い、東山紀之新社長、藤島ジュリー景子氏にも伝わったという。正式な申し入れ自体は今回が初となる。
一連の検証番組の報道についての予定はないという。