「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「ビューティフルネーム」「銀河鉄道999」などのヒットで知られるロックバンド、ゴダイゴ（GODIEGO）の4枚組DVDボックス「Godiego TBS Dream Time Box」が、18日に発売される。70年代末から40年以上にわたって「ザ・ベストテン」「サウンド・イン“S”」「日本レコード大賞」など、TBSの音楽番組に出演した映像を集めた。発売記念のライブツアー「Godiego Live！2023」も22日の神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホールからスタート。全国5都市で11公演が予定されている。【小谷野俊哉】
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現在のメンバーはミッキー吉野（71）タケカワユキヒデ（70）スティーブ・フォックス（70）トミー・スナイダー（70）吉澤洋治（66）の5人。ゴダイゴは76年に「僕のサラダガール」でデビューした。
デビューから2年半、めぼしいヒットはなかった。そして1978年（昭53）10月、ミリオンセラーとなる「ガンダーラ」が発売された。
ミッキー「もういよいよね、そこで初めて本気でヒットを出そうと。それも『ガンダーラ』なんですよ」
タケカワ「最初は日テレのドラマ『西遊記』のBGM、劇伴だけをゴダイゴがやるって話だったんだけど、主題歌もやらせてもらえるって話になって。すごいじゃんっていうのがあったんですよ。それで、その予算を使ってアルバムを作ろうっていう悪だくみもしたんですよ（笑い）。アルバムを作る予算も大変じゃないですか。だからいっぱい曲を書いて、それで『ガンダーラ』のプロット版みたいなものを書いたんですよ。でも、『ガンダーラ』だけを書いたんじゃなくて、いろいろな歌詞もいっぱいあって、どれが主題歌になるかは分からない」
タケカワが『ガンダーラ』を書いている時に、ミッキーは音楽プロデューサーと話し合いをしていた。
タケカワ「僕は、最初はメジャーで始まる『ガンダーラ』を書いてました。で、サビだけ ＜歌詞＞ガンダーラ ガンダーラ の部分なんですけど、どうもこいつが唐突なんでこいつを書き直そうと思いながら、アルバムのプロデューサーのところへ曲を持って行ったんです。サビだけ書き直そうかなと考えていたら『サビだけいいから、他を書き直して』って言われたんで（笑い）。サビだけマイナーなんですよ。僕はマイナーな曲はあんまり好きじゃないんだけど、でも書いちゃったから入れたんだけど。こいつもメジャーにして、うまく書き直そうと思ってたら『マイナーで全部書いてくれ』って」
ミッキー「なんとなく『ガンダーラ』っていうゴロもいいし、これだろうなという話をちょこちょこしてて。ヒットっていうキーワードがガツンと入ってるから、だから売れないとまずいって。全部マイナーにしてくれとかっていうのもその方が売れやすいから」
タケカワ「当時は、きっと日本人の琴線に触れる方がいいのではないかっていうことだった。それで、書き直したらうまい具合にそれがハマって。その転調の仕方もうまくいって、ちゃんとサビが目立つような形まで持っていって」
ミッキー「イメージは60年代のアメリカのフォークロックとか。そういうものがきっと今の日本人の琴線に触れるんじゃないかと。ブレッドとか、アメリカのそういう感じ。あとママス＆パパスの『キャリホルニア・ドリーム（夢のカリフォルニア）』とかね。僕はGS（グループサウンズ）やってたんで、ゴールデン・カップスでね。ゴールデン・カップスとかワイルドワンズは、12弦ギター使ってるんですね。これはヒットのパターンだと、12弦ギターを使ってね。日本人は『ビルマの竪琴』とか好きじゃないですか。あれが琴線に触れる。そういうのも全部イメージにあった」
「ガンダーラ」は最終的に200万枚近い大ヒットになった。
ミッキー「それはもう、夜明けの『ガンダーラ』じゃないですか（笑い）。夜中のラーメン屋なんですよ、そのパターンがあるんです。僕は前にゴーデン・カップスで“売れるということ”を知っていた。なんとなく、いろいろな声が聞こえてくるんだよね。当時は、これはイケるなと思って。たまたま、GSのカーナビーツのボーカルだったアイ高野と2人でラーメン食べてたら『ガンダーラ』が聞こえてきたんですよ。『これは売れるよな』って。『すごいイケるよ』って、朝まで盛り上がっちゃって。そうしたら、本当に売れてきたんですよ」
（続く）
◆ゴダイゴ（GODIECGO） 現在のメンバーはリーダーでキーボードのミッキー吉野（71）、ボーカルのタケカワユキヒデ（70）、ベースのスティーブ・フォックス（70）、ドラムのトミー・スナイダー（70）、ギターの吉澤洋治（66）。1976年（昭51）4月に「僕のサラダガール」でデビュー。当時のロックバンドでは異例のCMタイアップ曲だった。78年に日本テレビ系連続ドラマ「西遊記」の主題歌「ガンダーラ」を10月、オープニング曲「モンキー・マジック」を12月に発売。79年4月に国際児童年キャンペーンソング「ビューティフルネーム」をリリース。同年7月に松本零士原作の人気アニメ「銀河鉄道999」の同名主題歌発売。85年に活動休止を発表。99年（平11）に3カ月限定で再結成。06年に本格的に再始動。79、80、99年にNHK紅白歌合戦出場。
