韓国発の6人組男性グループ「TWS(トゥアス)」が1月22日にソウルで行った報道陣向けのデビューイベントを取材しました。世界を股にかけて活躍するSEVENTEENの弟分で大手芸能事務所「プレディス」が9年ぶりに送り出す期待のニューフェースです。

100人近い記者がずらっと並ぶ会場で、ステージングや自己紹介をして質問コーナーなどもこなしました。多数のカメラを向けられてシャッターを切られ、緊張をしているのが表情やしぐさから伝わってきます。

イベントは一部の海外メディアも配信で見ていましたが、タレントと直接顔を合わせ、表情を見て、肉声を聞くことはやはり良いなとしみじみ感じました。“その場の空気で伝わる”という言葉もある通り、メンバーの緊張感を肌で感じられます。リモートの便利さは認めますが、やはり“ナマ”はひと味もふた味も違います。

ある芸能事務所の広報担当者が、記者とタレントが直接接する機会を意識的に設けて「何でも聞いてください」と言っていたことを思い出します。タレントの本音を聞き出す絶好の機会で、記者としての経験値を高める真剣勝負の場でした。

ある日、この事務所のタレントのスキャンダルが報じられたことがあります。この時、広報担当者は問い合わせをした記者にタレントから直接連絡をさせました。「本当に根も葉もないことだから、本人から『事実ではありません』と言ってもらいました。私が言うよりも説得力があるでしょ」。信頼関係がベースにあってのことですが、これでは後追い記事の書きようがありませんでした。

知人の会社幹部はリモート会議について絶賛しています。「対面の会議だと1日に2つか3つが精いっぱい。でもリモートだと、移動時間が省けるので倍の数の会議が可能」だと。会議はそうかもしれませんが、やはり取材の基本は対面だと、還暦近い“古い記者”は思うわけです。

そのうち、TWSはライブなどで来日をするでしょう。その時にはすっかり取材慣れをして緊張感も薄らいでいるのでしょうか…。再会が楽しみです。【松本久】