1日に急性硬膜下血腫で68歳で急逝した、漫画家の鳥山明さんの訃報から一夜明けた9日、都内の文化放送で行われた“声優界のアカデミー賞”第18回声優アワード授賞式で、黙とうがささげられた。
この日の午後には、第13回の同アワードでキッズファミリー賞を受賞したTARAKOさんが4日未明に急逝したことも発表されていた。2人の訃報を受けて、式の冒頭で司会の文化放送長谷川太アナウンサーが「あまりにも大きな存在の、おふたりの訃報に接し、悲しみに堪えません」と言い、2人のために1分間、黙とうがささげられた。
鳥山さんの代表作の1つで、フジテレビ系アニメ「ドラゴンボール」シリーズでピッコロなどを演じた、声優の古川登志夫が功労賞を受賞し、壇上で鳥山さんへの思いを語った。「生涯、現役。演じてきました、たくさんのキャラクターの方々にも心より御礼」と感謝した上で「ここにきまして漫画家の鳥山明先生、TARAKOさんの訃報が飛び込んでまいりました」と切り出した。
主人公の諸星あたるを演じた81年のフジ系アニメ「うる星やつら」はTARAKOさんの声優デビュー作だった。古川は「おふたりとは個人的に関係が濃いもので」と断りを入れた上で2人をこう位置付けた。
「日本のポップカルチャーコンテンツは世界中の国で大変、高い評価を受け、イベントも数多く、恒常的に行われ我々も招かれる。声優、日本のコンテンツの価値を世界的に高めた、けん引車で功労者」
2人が日本のアニメを世界に押し上げた存在とし「感謝と哀悼を込めて」と、一抹の寂しさをにじませた。【村上幸将】