古舘伊知郎(70)が、12月7日の東京・EXシアター六本木から全国5カ所で「古舘伊知郎トーキングブルース 2025」を開催する。来年1月に福岡、2月に名古屋、3月に大阪、横浜と“しゃべりの巡礼”に出る。テーマは「2025(ニセンニジュウゴ)」。今年2025年の1年間で、何を見て、何に怒り、何に笑ったのかを2時間半、ノンストップでしゃべりまくる。70歳、古希になった古舘に聞いてみた。【取材・構成=小谷野俊哉】
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自民党の小泉進次郎農水大臣(44)が米不足の問題に取り組んでいる。“ポスト石破”にも名前が挙がっている。
「物を知らなかった進次郎が、物を知り始めて大人になっているんですよ。だんだんとサナギが今、成虫に、大人になろうとしているんですよ。そのあたりが非常に面白くなくていいですね。全く面白くないんですよ。サナギの時の方が面白かったんですよ、新鮮でね。だけど、みんなだまされちゃいけないと思うんですよ。小泉進次郎及び、彼が農水大臣になったプロセスを。財務省は備蓄米で年間500億円かかることでうるさく言ってたわけで、今回は政府が備蓄米を放出して参議院選に勝つっていう時に財務省もかみつけなかった。小泉大臣が辣腕(らつわん)をふるって、今まで出せなかった5キロあたり1700~1800円の備蓄米放出で値段を落として弾みをつけようとした。僕は頑張れって思いましたよ」
小泉農水大臣を応援する一方で、父親の小泉純一郎元首相の郵政民営化と同じ流れになることを危惧している。
「でも、その流れの後ですよね。JAをアメリカに売り渡されないように警戒心を持たなきゃいけない。JAは、今までは農水省と自民党の農水族との特権化ライフの中で、減反政策で補助金をつけます、と。ずっと米余りになった戦後ね。ずっと日本が米を減らせ、減らせって言って、パン食え、何を食えってやってたわけですよ。でも、その農政のなれの果てで、米が足りなくなったことは事実で。流通の過程の問題とか、そんな諸原因は後からついて来る原因の1つ1つであって、根本原因は米が足りなくなったんですよ」
米が足りなくなってから騒ぐ日本人にも警鐘を鳴らしている。
「それは我々がいろんなものを食って、米なんか何も考えてこなくて、気がついたら米が足りなくなっていたとね。カリフォルニア米を食わされて、なんで日本人なのに日本の米が食えねえんだって怒る。ちょっと待てって、僕も思いましたけど、お前どんだけ米を注視してたんだ、知らんぷりしといて急に怒るんじゃねえっていうね。みんな、人間って調子いいじゃないですか。『笑っていいとも』が幕を閉じた時に“タモさんロス”“いいともロス”って言ってたじゃないですか。お前が見ねえからやめんだよって話でしょ。ロスとか言って、嘆いてる場合じゃない。あんたにも責任の一端があるんだ。今回も米に関しては、自分も大反省ですよ。米に執着してなかったんでね」
安定した米の供給のためにも、農業政策の転換が必要だと訴える。
「急にね、日本人が日本の米を食えないって言い出した。だったらカリフォルニア米だって、短粒種でおいしいから、それを食えばいいんですよ。ブレンド米だとかは、知らず知らずに外食産業でもいっぱい食ってんだから、いまさら怒る必要もないんです。おいしいものは、どんどん海外で高い値段で売れる日本のブランド米は輸出すればいい。これはなんていうか“売国奴”って言われちゃうけど、そうじゃないんですよ。やっぱり、長期的に農業政策を変えて、日本の食料安全のためにも、備蓄米は常に田んぼにあるよ、今生育しているよというね。そっち側に持っていくのは長期的にやらなきゃいかんからね」
農業人口の減少による、構造的な変化に対応していくことの必要性も説いている。
「小規模兼業農家の人たちは高齢化してるわけだから、10年ぐらいたてば65歳以上のそういう人たちが退場していく。その時にはしっかりと個別保障して、今までありがとうっていうのに税金を使わなきゃいけない。予算取りは大変ですよ、財務省と農水省も。それからもう1つは、やっぱり大規模農業をやって、スマート農業やる。無人のトラクターが夜中に衛星と結んで、天気予報をにらみながらずっと動いて行くっていう。大規模農業にしっかり補助金をつけて育てていって、日本は米がいつでも取れているという状態を目指す。長期のためには短期、中期といろいろあって、短期で輸出もするし、タイ米もカリフォルニア米も輸入するぐらいのドラスチックなことをやらなきゃいけないと思うんです」
日本の農業は海外の影響を受けることなく、進むべきだと指摘する。
「JAもメガバンクとして捉えて、アメリカに売り渡しちゃいけないわけですから。155兆円ですからね。JA共済と農林中央金庫(農林中金)で、大変なメガバンクと考えなくちゃいけない。だからそれは小泉進次郎が、もしかしたらアメリカに売り渡すのも世襲かもしれないんで。郵政の次は、こんな風に言われてるじゃないですか。だからそれは気をつけなきゃいけないけど、短期的には進次郎頑張れなんですけど」
短期的に米の値段が下がっても、もっと大きな視点を持つべきだという。
「備蓄米だけで値段が下がってもしょうがないんで。これからミニマムアクセス米(日本が海外から最低限輸入しなければならない米)の方を、人間が食べる食用米の割合を増やすかどうか。これは今、1割しかないんで。あとはせんべい用とかあられ用とか加工米と、家畜の餌用という割合になっちゃっている。この1割を増やすとか進次郎大臣が言い出して、そこは頑張れ! なんですけど。本当に長期的な農業政策をやるんでしょうねって、そこはものすごく疑いの目で。応援しながら、左手で手を振りながら、右手の方ではこの辺のことをいつも思ってないといけないなと思う。もう、いつ死ぬのか分からないから、こういうことを言って、自分を元気にさせるしかない」
(続く)
▼「古舘伊知郎トーキングブルース『2025』」
25年12月7日 東京・EXシアター六本木
26年1月18日 福岡・Zepp福岡
26年2月12日 愛知・Zepp名古屋
26年3月7日 大阪・Zeppなんば
26年3月20日 神奈川・Zepp横浜
◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77年にテレビ朝日入社。同8月からプロレス中継を担当。84年6月退社、フリーとなり「古舘プロジェクト」設立。85~90年(平2)フジテレビ系「夜のヒットスタジオDELUXE、SUPER」司会。89~94年フジテレビ系「F1グランプリ実況中継」。94~96年NHK「紅白歌合戦」司会。94~05年日本テレビ系「おしゃれカンケイ」司会。04~16年「報道ステーション」キャスター。現在、TBS系「ゴゴスマ」水曜日コメンテーターなど。血液型AB。



