ものまね芸人コロッケが、デビュー45周年を迎えている。20日に初日を迎える東京・日本橋浜町の明治座公演「大逆転!戦国武将誉賑(せんごくかーにばる)」では、松平健(71)、久本雅美(67)、檀れい(54)と“4人座長”を務め、豊臣秀吉を演じる。ものまねレパートリーは1000人以上。今年2月に変形性膝関節症のため両膝に人工関節を入れる手術を受けた「ものまね界のレジェンド」に聞いた。【小谷野俊哉】
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両膝を人工関節にする手術。入院して復帰するまでに、まる3カ月を要した。両膝人工関節の手術は、プロレスラー武藤敬司(62)が2018年(平30)3月に受けて1年3カ月後に復帰、23年(令5)2月の引退まで活躍した。
「病院で一緒だったんですよ。病室の真向かいが武藤さんでした。ちょっと調子が悪くて、軽い手術をしたみたいな感じでした。武藤さんの方が、一足先に退院して行きました」
手術直後は車椅子を使った。
「頑張れば、歩くこともできるんだけど、それはすごく痛い。両方、1度に手術をすると負担がかかるから、普通はやらないらしいんです。片足ずつ、やって様子を見る。両方まとめてやると、なかなか立つことができない。でも、自分はやるんだったら1度にやった方がいいなと思ったんです。ただ、ちょっと抵抗力が弱ってたんで、それでなんやかんで3カ月もかかりました。最初は1カ月で退院できるって話だったんですけど、やっぱり体がかなり弱ってたみたいでね」
足の関節は痛みはあるが、命までは取られない。ただ、今回の手術で、足の大切さが身に染みた。
「もう本当ね、やっぱり足は大変ですよ、そういう意味じゃ。僕の場合は、長年の酷使が蓄積していた。やっぱり余計な動きをやりすぎていたから。本当にまさかで、実際に手術して膝の中を見てみたら、くぼみができて穴が開いていたそうなんです。もう通常の状態ではなく、逆に『それでよく仕事やってたね』っていう状態だったそうです。軟骨がすり減って、穴が開いてたっていう。担当の先生に『そんになひどかったんですか』って聞いたら、『いや、もうこんなひどいのなかなかない。過去のベスト3に入るよ』って。まぁ、ワースト3なんですけど(笑い)」
格闘技をやっているわけじゃない。それでも、コロッケのものまねは、それに負けない激しい動きをする。
「僕の芸を細かく言うと、逆に動くことで笑いを取ってるんです。要は右に行こうとして、左に行くっていう感じ。首も今は、5番、6番、7番の頸椎(けいつい)が、もう怖いくらい、イッちゃってる。五木ひろしさんの五木ロボットとか、岩崎宏美さん、武田鉄矢さんのものまねで首がおかしくなっちゃっている」
体を酷使して笑ってもらうものまね芸が、コロッケを明治座の舞台で座長として立たせる。「大逆転!戦国武将誉賑」では、松平健(71)檀れい(54)久本雅美(67)と“4人座長”。コロッケは豊臣秀吉、妻の寧々を久本が演じる。
「本当の秀吉と寧々って、こんな感じだったのかなっていう。歴史上の人たちで、実際は分かんないじゃないですか。実際に見た人もいないんだけど、でも2人の関係性って、こんな感じだったんだっていうのが、多分すごく見えてくると思うんですね。もう思いっきり面白いと思いますよ」
農民から身を起こして、天下人にまで昇りつめた秀吉。それを支えた糟糠(そうこう)の妻が寧々。女好きで数々の側室を抱えた秀吉だが、最後まで寧々には頭が上がらなかったという。
「なんか、寧々の言いなりなんだけど、言いなりじゃないみたいな。秀吉っていうのはわがままで、農民から足軽になって、いろいろとゴマをすったり、策を弄(ろう)したりして、どんどん出世して天下を取る。そういう意味では、僕にとってやりたかった歴史上の人物の1人ですよね。あの人間らしいっていうか、金が入ったら即、好きなものに使う。そういう、自分中心に動いて、ある意味人間の欲の塊のような方だったんじゃないかと。一番、人間の欲に忠実に生きた人だと思います」(続く)
◆コロッケ 1960年(昭35)3月13日、熊本市生まれ。高校を卒業して上京。80年に日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」でデビューして、6週連続勝ち抜き。85年フジテレビ系「ものまね王座決定戦」で大ブレーク。93年日本テレビ系「ものまねバトル」に出演。13年「松尾芸能賞」演劇優秀賞、14年「文化庁長官表彰」、16年「第16回日本芸能大賞」。18年映画「ゆずりは」で、本名の滝川広志で映画初主演。19年「第28回日本映画批評家大賞」特別新人賞。171センチ。血液型B。



