ロックシンガー矢沢永吉(76)が15日、NHK特番「NHK MUSIC SPECIAL 矢沢永吉 ヤザワ×イチロー~俺たちの失敗~」でマリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(51)と20年ぶりに対談。引き際について語った。
06年の初対談番組「英雄の哲学」から20年をへた再会での番組トークテーマは「俺たちの失敗」。矢沢が米ロサンゼルスで6年ぶりのアルバムレコーディングをする様子が紹介され、音楽についても熱弁すると、イチロー氏は「本当に止まらない人なんだな」とうなった。
矢沢は「自分でも正直、思う時がある。いつまでやるの? いつまでやれるの? おまえいつまでやるつもり? だよな~、最近、息切れ結構するしな~、みたいな。で、ステージ立っている時は覚えてないんですよ、必死だから。終わった時に、へぇ、へぇ、こんな感じですよ」と、肩で息をする様子を再現し、肉体の衰えがあることは認めた。ただ「まあ何度も考えました。(でも)辞めてないですよ」と現状を語った。
「若いときは、ちょっと下世話な言い方ですけど『金持ちになりたい』とか、分かりやすいじゃないですか。記録作っちゃおうとか」と、過去のモチベーションを振り返りながら「でもある程度、ちゃんと食べられるんだ、というところまで行けた。何を基準にオレはやり続けるんだ、と」と自問自答したことを説明。「良かったのは、海の向こうにいっぱいいるんですよ。ミック・ジャガーとか」と、ローリング・ストーンズの82歳の現役ボーカリストの名をあげ「あれを見た時に、ある時、分かりましたね。ああ、この人たち、生きるために辞めないでいるんだ、ということが分かったんですよ。生きるために」と語った。
イチロー氏からは「マグロみたいですね」と聞かれると、矢沢は「そう、マグロみたいなもんですよ」とうなずき「死にたくないから。生きるためにステージを止めるわけにはいかない、というところにいるんじゃないかな、と思いました」と力を込めた。
イチロー氏からは「止まる日は、矢沢さん…止まっちゃうぜHa~Haという感じのことって…どうなんですかね?」と、代表曲の名にかけて柔らかに聞かれると、矢沢は「やっぱり自然に“もう無理”というところを…自分でどうすることもできない、ってところを、体的にも何的にも、思う時があるんでしょうね。そうしたらもう“無理”なんだから、辞めよう、ということ。というところに行くのか、必ずその日は来るでしょう」と断言。ただ「それが来るまでは、マグロじゃないけど、生きるために止めるわけにはいかないんだ、というところにいってるんじゃないかな、と、僕は、海の向こうにいるすごい連中を見ていて思いますよね。僕もそうなのかな、ってそんな感じですね」と現状を語った。
番組ラストには、矢沢が海岸で1人、海を見つめながらコーヒーを飲む場面に。ここで矢沢は「80(歳)なっても歌ってんのかな、オレ」としみじみ、つぶやいた。



