銀杏BOYZ峯田和伸(47)と若葉竜也(36)が、田口トモロヲ(67)の10年ぶりの監督作「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」(26年3月27日公開)にダブル主演することが15日、分かった。
1978年(昭53)に東京で起きた音楽のムーブメント「東京ロッカーズ」を描いた写真家・地引雄一氏の自伝的エッセーを映画化。峯田が東京ロッカーズのカメラマンでマネジャーだった地引氏を元にしたユーイチ、若葉が東京ロッカーズの中心的バンド「TOKAGE」のリーダー兼ボーカルのモモを演じる。
今作は、03年の田口の初監督作「アイデン&ティティ」で脚本を手がけた宮藤官九郎(55)音楽を担当した大友良英氏(66)そして同作で俳優デビューし主演を飾った峯田が再集結した。峯田は「2003年、演技経験も全くない、バンドマンの僕が突如映画『アイデン&ティティ』に出ることになった。人生を狂わされた。監督は田口トモロヲ。脚本は宮藤官九郎。このふたりが、また何かすごいことをやろうとしている。僕もやります。『ストリート・キングダム』。あがく。もがく。叫ぶ。走る。見た人みなが「この映画の主人公はわたしだ」と思える映画に」と意気込みを語った。
東京ロッカーズは、パンク・ロックの始祖と言われる英国のバンド「セックス・ピストルズ」が解散した78年に、自分たちの音楽を自分たちの手で届けようとした若者たちが、日本で初めてパンク・ロックを自分たちの手で生み出したムーブメント。自主レーベルを立ち上げ、着席が常識だったライブにオールスタンディングを導入し、あまたバンドが集う音楽フェスを開催。いまや当たり前となったカルチャーの原点を築き、日本の音楽シーンに影響を与えた。15年「ピース オブ ケイク」以来の監督作となる田口監督は、構想から10年をかけて映画化を実現。「今、日本はロック・フェス隆盛時代。しかしそれらの礎を築いたロッカーと仲間達の存在は知られていません。この真実の物語を伝えなくては死んでも死にきれない!日本のパンク/ニュー・ウェイブ・ムーブメントを作った革命家たちの魂の軌跡!そして出演者達の熱量を是非目撃してください!」と呼びかけた。
若葉は「やっとここまで来た。という一言です。『アイデン&ティティ』という映画に出会って『こんな映画に出てみたい』という思いで走ってきました」と「アイデン&ティティ」が俳優としての目標だったと明かした。「『映画のせりふ』なのか『僕自身の言葉』なのか。『モモ』なのか『僕』なのか。撮影が終わった今も、わかりません。これでもくらえ!!!って感じです」と熱い思いを語った。
ユーイチやモモと共に時代を切り開いていくミュージシャンたちを吉岡里帆(32)仲野太賀(32)間宮祥太朗(32)大森南朋(53)「アイデン&ティティ」にも出演した中村獅童(53)中島セナ(19)が演じる。全員、実在のミュージシャンをモデルにした役を演じるに当たり、それぞれ過去のライブ映像やインタビュー映像などを見て歌い方、演奏の仕方、ライブでのアクション、立ち振る舞いなどを研究。若葉、仲野、間宮、吉岡は別のバンドのメンバーを演じるため、それぞれのバンドが個別にスタジオを押さえて練習をし本番に臨んだ。ベーシスト役の吉岡はプロのミュージシャンについて3カ月、練習したという。
俳優陣は、コメントを発表した。
吉岡里帆 日本のパンクの最盛期を今この時代だからこそ映画にしたいんです!」そうオファーを頂き胸が高鳴ったのを覚えています。自由で、色っぽくて、反骨的なカッコ良さを追求した彼ら彼女等の青春の瞬きを演じられることは特別です。大人になってルールの中で生きる自分にとってはまぶしくてうらやましくてエネルギーに満ち足りたもののイメージでしたし、何より皆んなが自分のプラットフォームを持てる今の時代に訴えかけるものがあると感じました。映画の現場ではみるみる体の中に60.70年代のパンクロックの力が浸透していき、撮影中他の共演者の方の演奏を聞いているだけで生きている実感が湧きました。パンクと聞くと反体制的という強いイメージが先行しますが、原作者の地引雄一さんが見た日本のパンクスにはもっとある種弱くて繊細な感情や、自由でいるための闘いの傷痕のようなものが見え隠れして、自分らしさを壊さず一生懸命に生きる姿が私には美しく思えました。時代の目撃者である田口トモロヲさんが「自分の見たあのカッコ良さを撮り切りたいんだ!!!」と熱量たっぷりに演出をして頂けたことが何よりうれしかったです。早く皆さまに届けたいです。
仲野太賀 オファーを頂いた時「アイデン&ティティ」で私の青春を奪った大好きな先輩方に混ぜてもらえるなんて、10代の頃の自分が聞いたら卒倒するような企画だと思いました。あまりにも偉大なパンクロッカーの魂に近づけるよう、全身全霊でミチヲという役に挑みました。しかし撮影が始まったら、30代の自分がほぼ全裸で卒倒してました。
間宮祥太朗 大好きな「アイデン&ティティ」のチームが新しく作品を撮ると聞き、なんとしても参加したいと思いました。映画と音楽への愛と情熱にあふれた素晴らしい現場で、この映画に関われた幸せを大いにかみしめながら撮影の日々を過ごしました。
大森南朋 久しぶりの田口組であり、音楽映画であり、しかも「東京ロッカーズ」の物語である。台本もらって興奮し、読んでテンション爆上がり、現場では、大好きな監督やスタッフ役者に囲まれて、さらに今はなきかつての「新宿LOFT」があり、レコードの中のロッカー達がいた。こんな映画に出たかったランキングで言うと、ベスト1といっても過言ではない。
中村獅童 「アイデン&ティティ」以来の、久しぶりの田口組、青春時代を思い出すような時間を過ごすことができました。伝説のミュージシャンという大きな存在を演じるというプレッシャーもありましたが、監督や峯田くんのおかげでのびのびとやらせていただきました。この作品のオファーがなかったら、ものすごく嫉妬していただろうな。宮藤&田口組、最高だぁ!
中島セナ 打ち合わせや現場に入ったとき、細部に至るまでその時代、音楽への熱を感じました。そんな情熱を身を持って体感し、自分もそこに参加できたことをとてもうれしく思います。ぜひ劇場で観てほしい作品です。
宮藤も、コメントを発表した。
田口監督との20年ぶりの仕事に、まずワクワクしました。「東京ロッカーズの映画を撮りたいんだけど」僕ですら世代的に間に合わなかった。フリクション、リザード、Mr.カイト、ミラーズ、SーKEN。写真でしか見たことなかった。その全てが地引雄一さんの写真だった。スターリン、ゼルダ、じゃがたらにはどうにか間に合ったけど、当時生まれてもいなかった若い世代が興味持ってくれるのか、不安でした。ところが若葉くん、太賀くん、間宮くん、吉岡さんなど素晴らしく若い才能が快諾してくれた。そしてみな口をそろえ「『アイデン&ティティ』が大好きで!」と熱く語ってくれた。うれしい。やって良かった。そして現在進行形のパンク継承者である峯田くんが地引さんを演じる。知らなくても、生まれてなくても、精神はこうやって引き継がれて行くんだな。『アイデン&ティティ』から生まれた『ストリート・キングダム』はいわば孫みたいな存在です。今では当たり前に使われる“インディーズ”という言葉が生まれた瞬間、その現場に立ち会った若者の興奮とヒリヒリを感じてもらえるよう頑張りました。公開おめでとうございます。
◆「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」 1978年、偶然ラジオから流れたセックス・ピストルズに突き動かされ、田舎から上京した青年カメラマンのユーイチ(峯田和伸)は、小さなロックミニコミ雑誌「ロッキンドール」に出会い、とあるライブハウスへと足を運ぶ。そこで出会ったボーカルのモモ率いるバンド「TOKAGE」のライブに衝撃を受け、無我夢中でシャッターを押した。そこは音楽もバンドも観客たちも何にも縛られない生のエネルギーにあふれた異空間だった。正式にカメラマンとしてライブの撮影を依頼されたユーイチはモモ(若葉竜也)たちと交流を重ねる。やがて彼らの音楽は瞬く間に若者たちを熱狂させ、そのムーブメントは“東京ロッカーズ”と呼ばれ、日本のロックを塗り替えていく。世界を変えたのは、才能だけじゃない。音に賭けた、名もなき若者たちの衝動だった。



