6月6日の初日から10日までの158日間で、実写邦画歴代2位の興行収入170億円を突破した「国宝」(李相日監督)が最優秀作品賞。また、任侠(にんきょう)の一門に生まれるも上方歌舞伎の名門の当主に引き取られ、芸に人生をささげた立花喜久雄を演じた主演の吉沢亮(31)は史上初の2年連続最優秀男優賞、喜久雄の少年期を演じた黒川想矢(15)は最優秀新進男優賞と、「国宝」が3冠に輝いた。

作品賞を受賞した李監督が登壇すると、吉沢と黒川も壇上に招かれた。吉沢は、黒川の芝居を意識したか? と聞かれると「意識しました。僕の前にクランクインしたので」と即答。自身は撮影前に1年半、黒川は半年にわたり歌舞伎の稽古を行い、合宿まで共にしていたが「映像で彼の女形の芝居を見させていただいて、とてつもなくすごいプレッシャーを与えていただき…これはマズいと。メイクさんから『負けちゃう? ヤバいね? 大丈夫?』と、ずっとプレッシャーをかけられた。お世話になった」と、黒川に感謝した。

一方、黒川は「あのぉ…正直、あまり意識することはなくて…」と、サラリと返した。吉沢が視線を向けると「そういうことじゃなくて、稽古の時に李さんが来てくださり、喫茶店でお話しさせてもらった時、吉沢さんと『知ってると思うけど全然、似てないでしょ? こっち(吉沢)は国宝級イケメン』と言われた」と李監督の言葉で、意識しなくなったと強調した。

続けて、李監督から「目指す像が近ければ近いほど、同じ人に思ってもらえるんじゃない?」と言われたことも明かした。「自分の中で喜久雄像が分からなくて…似てるねと言ってくれたスタッフに、ものすごく感謝」と言い、笑った。

李監督は「まぁ…似てはいないですね」と言い、客席を笑わせた。その上で「精神が重なれば良い。オーディションで、黒川くんが、この人だと思ったのは、真剣なまなざし。歌舞伎に恋い焦がれる、夢中になるまなざしがあればつながると思った」と、黒川の“目力”が決め手だったと明かした。