ビビる大木(51)がTBS系連続ドラマ「未来のムスコ」(火曜午後10時)で、志田未来(32)演じる主人公・汐川未来のアルバイト先の上司・田中正和役を好演している。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、久々の俳優業へのやりがいを明かした。
民放連ドラレギュラーは98年の日本テレビ系「お熱いのがお好き?」以来、実に28年ぶりだ。出演オファーに「ついにTBS、気付いちゃったなと。ありがたいですね。普段なかなかチャレンジできないジャンルに挑戦させてもらえる。ちゃんとドラマの出演者になれるように挑みたいなと思いますよ」と意気込んで臨んだ。
コールセンターで、お客さまに寄り添う未来の姿勢を高く評価しながら、夢を追う姿も応援するコミカルで明るいキャラクターだ。「原作を読んだ時、1コマか2コマしかなくて。大丈夫かな? と思ったらドラマは脚本ごとにちゃんと出番がつくられてて。原作にはない役を、こういう人だよねってつくり上げていく面白さを感じましたね」。
実はドンピシャの役でもある。「運良く20歳くらいの時、コールセンターでバイトしてたの。僕の時は怖い上司だったんですけど。必死で電話してたんで、コールセンターで電話を受け取る側の気持ちが分かるんです」。マニュアル通りの定型文を読んでも、受話器の向こうに熱意は届かなかった。そんな苦労を知っている。だから「いい職場にしたいと思います!コールセンターを」。言葉に実感がこもる。
普段の仕事で「大木さん、このタイミングで必ずこれを言ってください」と言われることは、まずない。すべて決まっているからこその緊張感。「急にせりふが飛んじゃうとか、そんな緊張を味わいながら挑んでおります」。せりふ覚えは、同じ事務所所属の青木さやか(52)に「録音してやるといいよ」と教えてもらった。自分で声を吹き込み、聞き返している。
バラエティーや生放送の情報番組は、20年後に見返そうと思っても難しい。「ドラマや映像作品は残るものっていうイメージがある。残せる作品、残るものを一緒につくってみたいなっていう願望はあったので、とてもうれしいです」。
劇中では主人公・未来が、未来のムスコと名乗る颯太(天野優)と、夫になる“まーくん”を3人の候補から探す。「田中正和」も“まーくん”ではある。「監督に、僕もまーくんですかね? って言ったら『そうとも取れますけど、それはないんでね』」と最初からはしごを外された。実際、3話ではまーくん候補を見て回る颯太に「全然違う」と言われてしまう。「ただ、分かりませんから!何があるか」と、4人目候補の望みを捨てていない。
連ドラ出演を喜んでくれたのは家族だった。歌手活動もしていた妻AKINA(40)と2人の娘に囲まれ、家では「女子3人、男子1人」の状態。「女子チームがドラマすごく見てるんですよ。だからドラマに出るって特別な感覚があるみたいで。『せりふとか言っちゃうわけ!?』って驚いてました」。撮影で失敗して落ち込んで帰っても、いつも同じトーンで受け止めてくれる。1歳の次女が顔を見て笑ってくれる。駆け引きなしの無償の愛に救われている。
長女は小学4年生、10歳になった。大木家の家訓は「好きな時に親を抜きなさい」だという。「お父さんがビビる大木ぐらいでよかったねと、娘に言ってます。お父さん、お母さんが偉大過ぎると大変だよ、ちょうどいいはずだよ、ビビる大木って。長嶋茂雄さんとかね、偉大なお父さんがいらっしゃると大変なこともあるでしょう、きっと。いつでも抜けるお父さんがいるっていうのは、逆にいいことだぞって言ってます」。未来のムスメに偉大過ぎない? 背中を見せながら“役者・ビビる大木”はお茶の間を明るくともしている。【鎌田良美】



