演歌歌手中村美律子(76)が10月14日、東京・浅草公会堂で、デビュー40周年記念コンサートを開催しました。

プロとしてのキャリアは40年ですが、故郷・大阪では中学時代から「河内音頭」をアルバイトで歌い、高校時代には「初音家みつ子」の芸名で音頭取り(歌い手)をするなど“セミプロ”として活躍していました。

公演は半世紀以上、歌い続けている「河内音頭」でスタート。自作の歌詞を音頭に乗せて歌い上げ、ファンへの感謝の思いや「これからも歌い続ける」との決意を伝えました。

3月に行った大阪公演では、長編歌謡浪曲「瞼の母」「桂春団治」「無法松の恋」の3題を一気に歌唱しました。3題合わせて1時間にもなる熱演で、浪曲師の春野百合子直伝の表現力を存分に発揮。約2700人の観客を「さすがはみっちゃん」と魅了していました。

今回は演目をガラリと変え、長編歌謡浪曲は「瞼の母」の1曲だけ。それでも、母を慕う主人公・番場の忠太郎、母と義妹の3役を見事に演じきり、割れんばかりの拍手を浴びていました。客席には氷川きよしがいたとあとから知りました。氷川も「瞼の母」を十八番にしています。この日の中村から何を吸収したのでしょうか。

ステージ時間は2時間超。NHK紅白歌合戦に15回出場し、日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を「人生桜」(97年)と「女の旅路」(08年)で2回受賞をしている実力者だけあって、聞き応えと見応え十分な21曲でした。

中村は「今は40周年ですが、これから45周年、50周年までいきます」と話していました。唯一無二の美律子ワールドをこれからも堪能できるのが楽しみです。そしてもう一つ。中村のステージを“見取り稽古”した氷川の長編歌謡浪曲にも期待です。【松本久】