豊洲市場の移転問題を検証する東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)で20日、移転を決めた石原慎太郎元東京都知事(84)の証人喚問が行われた。石原氏は当時のトップとしての責任は認めつつ「担当に任せており、詳細は分からない」と、今月3日の会見と一切ぶれない証言を繰り返した。18日の百条委で石原氏に報告した資料があるとした市場長の証言も「記憶にございません」と一蹴。百条委まで開いた都議会は、石原氏から新事実を引き出すことはできなかった。主なやりとりは以下の通り。

<公明・野上純子都議>

 -東ガスの瑕疵(かし)担保責任の免除について11年3月22日、岡田元市場長が石原氏へ説明したとの資料が残っているが

 石原氏 東(日本)大震災の大混乱の中、彼女から(岡田氏は男性)、担当の方からそういう報告を受けた記憶がございません。

 -土壌汚染対策について浜渦元副知事と東ガスの交渉の経過内容は聞いたか

 石原氏 存じてない。

<東京改革・酒井大史都議>

 -99年11月5日、一橋大の後輩、東ガス上原元社長に面会したことは記憶しているか

 石原氏 いろんな人と会ったが、覚えていない。

<共産党・曽根肇都議>

 -11年3月31日に土地売買契約と土壌汚染処理に関する協定書が締結された。事前に報告を受けていたか

 石原氏 覚えていない。担当者に一任していた。

 -559億円という巨額契約を知らないとは考えられない

 石原氏 私は記憶にございません。私は何をしたら良いのですか。

<都民・音喜多駿都議>

 -捨てる地下水になぜこれだけ基準を設けたのか

 石原氏 覚えていない。地下水はそれほど重要な案件ではなかった気がする。