将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)の快進撃が止まらない。26日、大阪市の関西将棋会館で指された棋王戦予選で平藤真吾七段(53)を140手で破り、自身の持つ公式戦デビュー後の連勝記録を「14」に伸ばした。

 昨年12月のプロ初戦で、現役最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段(77)を破って以来勝ち続け、今月4日にはデビュー後11連勝の新記録を達成。学校と対局を掛け持つ中学3年生は、いまだ公式戦負け知らずだ。

 スーツにネクタイ姿で臨んだこの日の対局も、後手番から危なげない指しこなしで堂々の勝利。「勝てて良かった。14連勝できるとは思わなかったので素直にうれしい」と笑顔も見せ、「今後も(連勝は)意識せずに自然体で臨みたい」と話した。

 藤井四段は非公式戦ながら、インターネットテレビの番組対局で第一人者の羽生善治3冠(46)にも勝利。同番組では王位3期保持の深浦康市九段(45)、名人2期など計13期タイトル保持の佐藤康光九段(47)からも勝ち星を挙げるなど、今ではトップ棋士からもマークされる存在となっている。

 次の対局は5月1日、東京・千駄ケ谷で行われる竜王戦6組準決勝で、金井恒太六段(30)と戦う。この対局と、続く決勝で勝てば竜王挑戦者を決める本戦トーナメント入り。史上初となる現役中学生のタイトル挑戦権獲得も、いよいよ現実味を帯びてきた。

 ◆竜王戦 全ての現役棋士、女流棋士4人、奨励会員1人、アマチュア5人が出場。予選はランキングに応じ1~6組まで分けられ、勝ち抜き人数は1組から順に優遇。本戦トーナメントに出場できるのは1組上位5人、2組上位2人、3、4、5、6組各上位1人の計11人。特に藤井四段のいる6組は唯一定員がなく、最も激戦になる。優勝賞金は将棋界最高の4320万円。