「排除の論理」に反発し、新党「立憲民主党」を立ち上げた枝野幸男代表(53)が7日、日刊スポーツのインタビューに応じた。「まっとうな政治」を掲げた王道路線で、「台風の目」となりつつある。枝野氏は「まっとうじゃない政治、社会状況で、正攻法、王道が求められている。それが我々への期待ではないか」と語った。政界屈指のアイドル好き。新党の仲間と歌いたいハーモニーを、乃木坂46の「インフルエンサー」と即答した。最後発の新党ながら、まずは衆院選で大きな影響力を示す。

 

  ◇  ◇  ◇  ◇  

 

 -民進党を離党し、新党の立ち上げから激動の1週間でした

 枝野氏 まだ正直、振り返る余裕がないですね。党を立ち上げたという状況がですね、まだ自分でものみ込め切れていない、という感じですね。

 -日々、選挙の流れが動いている

 枝野氏 そういう意味では、2日の夕方に記者会見をして「これからどうなるんだろう」と思っていたことが、今日までの間、特にスタッフのみなさんが届け出事務とか、全国の公認を受けたいという人への連絡とか、すごく精力的にやってもらって。よくぞここまで来たなと。よくぞここまで来たな、と思うだけに、よくその見通しが十分立たない中で手を挙げたなと、思ってますが。

 -多くの仲間が集まった。受け皿があったということで集まったのだと思うが

 枝野氏 ここから選挙がどうなっていくか分かりませんが、選挙に出る人たちだけではなく、こういう受け皿を求めていた、投票できる先がないと思っていた有権者のみなさんが相当な方いらっしゃった。そうしたみなさんに選択肢を提示できたというのは、良かったと思っています。

 -6日発表のポスター、「まっとうな政治」。あの言葉に込めた思いは

 枝野氏 自然に出てきた言葉なんですね。広報戦略的に、スローガンをどうしようかということを考える間もなく、結党翌日の3日に街頭に立って、そこでその時の思いを語った。そのこと、演説の中身などからですね、まあ我々の目指しているものは短く一言で言えば、このことなんだろうな、と。長妻(昭)さんや福山(哲郎)さんなどと相談しながら、自然に出てきたスローガンですね。

 -安倍1強政治に対してだけではなく、希望の党が出てきたり、民進党の別れ方などへの思いもあったのか

 枝野氏 政治自体がまっとうじゃないし、そのことで国民生活が分断されたり格差が拡大したりとか、共謀罪や安保法制に象徴されるような、まっとうな近代社会だったらちょっと考えられないような法制度が進んでいるとかですね。さまざまな状況、今まっとうじゃない社会状況をまっとうに戻したい。そのためにはまず政治がまっとうじゃなければいけない。そういうことですね。

 -前原誠司代表と代表選を戦ったのが1カ月前の話だが、前原代表との間でこのようになってしまったことは

 枝野氏 24年、同じ党でやってきましたので、大変残念である、という思いは強いです。一方で、この世界にいれば個人的な人間関係と、それぞれの政治的な判断が違うということは、ある意味で避けられないことだとずっと思ってきましたので、今回は残念だけれど、政治的な判断が異なったということだと思っています。

 -「今回は」ということですが、今後は一緒に戦うこともあるのでしょうか

 枝野氏 我々は希望の党とは理念、政策が明らかに違うので、希望の党のような理念、政策と、立憲民主党が一緒にやるということはなかなか難しい。もちろんお互い国会で野党であるとか、例えば野党自民党と野党共産党は、我々が政権の時に一定程度の連携をしていたわけですね。そういうことはあるとは思いますが、やはり大きな方向性が違っているので、包括的な連携ということはなかなか難しいな、と思っています。