前職3人が立候補した大阪10区(高槻市、島本町)で、日本維新の会の松浪健太氏(46)と5度目の対決になる立憲民主党の辻元清美氏(57)は10日夜、JR摂津富田駅前で支援者らの応援を受け、充実感に満ちた表情で、公示初日のマイクを置いた。

 ライバル松浪氏のもとに、初日から、アントニオ猪木参院議員(74)が応援に駆けつけたことには「え、そうなんですか…」と驚きつつ、松浪氏側の危機感を感じるかとの質問には「それは、分かりません。それは…」と答えた。

 辻元氏と松浪氏は毎回、選挙区での勝敗が入れ替わり、12年には松浪氏に敗れたものの、14年には辻元氏が椅子を勝ち取った。今回は、小池百合子東京都知事の「希望の党」結成余波で、所属していた民進党が吹き飛び、離党を経て、立憲民主党からの出馬。辻元氏は「厳しい選挙になります。1からの出発、1人からの出発です」と声を張り上げた。

 ただし、12年に松浪氏に敗れた年とは打って変わって、この日は、府民から握手を求められるケースも多く見受けられ、辻元氏の表情も、明るい。今回も、手ごたえを感じていてもおかしくない状況だった。

 初日は阪急やJRの主要駅を回るなどし、夕方から夜にかけても、通勤客らに「辻元を好きな人も、嫌いな人も、大嫌いな人もいると思いますが、それでもいい。排除から対話へ、まっとうな政治を取り戻しましょう」と訴えかけた。

 JR摂津富田駅前でマイクを置くと、スタッフに「時間がもったいない。8時まで、行きましょう」と声をかけ、車へ乗り込んだ。