米ファストフード大手「マクドナルド(以下マック)」が昨年6月、国際オリンピック委員会(IOC)のスポンサーから撤退した問題で、2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会が同社に代わる事業者を募集しない方針であることが20日までに分かった。組織委は昨年8月の飲食戦略検討会議でマックに代わる軽食店舗の設置を検討するとしていた。

 マックは16年リオデジャネイロ大会まで選手村に店舗を出し、選手たちにハンバーガーを提供していた。競技会場に手頃な食事がない場合、朝にマックで軽食を受け取り、昼にそれを食べる選手もいた。マックのハンバーガーは世界的に食べられており、各国選手にもなじみでリフレッシュの材料でもあった。サラダやポテトも人気だった。

 約5000席を用意する選手村メイン食堂の運営事業者は、18年度に募集する。コスト削減の観点や食材の大量調達、給食技術のノウハウを持つケータリング会社を想定している。マックに代わる店舗を設置した場合、食堂内に2種類の調理場を整備する必要があり、コスト増につながるため、難しいと判断した。

 しかし、各国選手の希望もあるため、運営事業者にハンバーガーやサンドイッチ、ホットドッグなどの軽食メニューも用意してもらう予定。ただ、マックの豊富なメニュー数や大量・スピード提供の技術を踏襲するのは難しく、過去大会の利便性を求めるのは厳しい状況だ。