東京都江東区の富岡八幡宮で昨年12月7日に起きた殺傷事件で、殺害された宮司の富岡長子さん(58)の神社葬が24日、富岡八幡宮近くの富岡斎場で行われ、神職や氏子ら約300人が参列した。喪主は、長子さんと、長子さんを襲撃後に自殺したとみられる弟の富岡茂永容疑者(56)の母聡子(としこ)さんが務めたが、参列しなかった。長子さん、茂永容疑者の妹夫妻が親族代表として参列。長子さんと親交のあったテリー伊藤も姿を見せた。

 茂永容疑者と妻真里子容疑者(49)については神社葬は行わない。富岡家の事件に対する宗教法人富岡八幡宮としての対応は、今回の神社葬が1つの区切りとなる。

 富岡八幡宮では宮司の長子さんに代わり、権宮司だった丸山聡一権宮司(57)が宮司代務者に就任。長子さんが務めていた宗教法人富岡八幡宮の代表も丸山氏が代務者を務める。今後、富岡家の血縁者が宮司に就くかどうかは、氏子幹部による責任役員会で検討される。氏子幹部の1人は「富岡家の問題と富岡八幡宮は切り離すべき別の問題。氏子の中では富岡家の血縁者を戻すべきではないという声の方が多い」と明かした。関係者は「みこしで江戸3大祭りに数えられた富岡八幡宮。みこしで盛り上げていきたい」と話した。【清水優】