平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スピードスケート男子500メートルに加藤条治(33)が出場した19日夜、故郷山形市ではパブリックビューイングが開催され、約200人が声援を送った。

 12組目の加藤は同走の高亭宇(中国)には及ばなかったものの、34秒83で暫定2位につけ、歓声が上がった。その後もメダル圏内で持ちこたえ、観客は興奮気味に画面を見つめていた。しかし、16組目のホーバル・ロレンセン(ノルウェー)の五輪記録更新により、加藤のメダルが消滅したと分かると、館内は沈黙。それでも競技終了後、加藤の6位入賞を受け、拍手喝采。入賞を祝うくす玉が割られた。

 加藤の母校で、スピードスケートの名門山形中央高の孫田淳校長(60)は「彼の100%を出し切ったレースではなかったと思う。第2カーブでバランスを崩し、最後は足がいっぱいいっぱいだった」と、悔しさをあらわにした。それでも「今やれることは精いっぱいやったと思う。後輩たちに挑み続ける背中を見せてくれた」と強調。故障を乗り越え挑んだ4度目の五輪で躍動した大先輩から、生徒たちが多くを学ぶことを期待した。