将棋の藤井聡太七段(16)が4日、都内で行われた囲碁将棋新人王戦表彰式に出席した。

将棋の第43期新人王の藤井七段は、囲碁の第43期新人王の広瀬優一・二段(17)とともに登壇。「新人王は今年、最後の出場の機会だったので、優勝という形で卒業できることをうれしく思っています。トップ棋士への登竜門と言われている棋戦ですので、優勝を機に、さらなる飛躍が出来るよう、日々、向上していきたいと思っています」とあいさつした。

藤井七段は17日に大阪市の関西将棋会館で指された新人王戦決勝3番勝負の第2局で、出口若武三段(23)を破り、2連勝で同棋戦の最年少記録を31年ぶりに更新する16歳2カ月で優勝した。公式戦でアマチュアや女流棋士と対戦したことはあったが、プロ棋士養成機関「奨励会」会員との対戦は初めてだった。

若手棋戦の新人王戦の参加には、六段以下、26歳以下などの条件がある。藤井は出場が決まった時点では四段だったが、わずか1年7カ月で、五段、六段、七段と異例のスピードで3段階の昇段を実現したため、今期がラストの新人王戦だった。

日本将棋連盟の佐藤康光会長(49)は、藤井七段の新人王について「藤井さんは最後の出場ということで…将棋は六段以下、26歳以下という基準がある。(参戦当時)4段だった。本人も最後だとは思っていなかったのではないか? 予期せぬ卒業。この1年の藤井さんの活躍が、いかに華々しいかが分かる結果になりました」と、藤井七段の驚異的な昇段、躍進を評価した。その上で「招かれないと優勝できないですから、優勝して、しっかり実績を作ったということは今後のますますの自信になるのではないか」と今後に期待した。

23日には、大阪市の関西将棋会館で指された8大タイトル戦の第4期叡王戦本戦トーナメント1回戦で、斎藤慎太郎王座(25)に敗れ、ベスト16進出を逃した。公式戦の通算成績は98勝18敗で、史上最速&史上最年少での通算100勝の王手はお預けとなった。また本年度中にタイトルの挑戦者になる可能性が消滅し、屋敷伸之九段(46)が持つタイトル挑戦の最年少記録17歳10カ月の記録更新は、来年度以降になった。【村上幸将】