来春、共学化する横浜高校が、6月から始まる学校説明会を前に新しい制服などをあしらった3種類の学校紹介パンフレットを完成させた。

中日松坂大輔、DeNA筒香嘉智らの母校で、春夏合わせ甲子園出場34回、優勝5回の同校は1942年(昭17)の創立以来、質実剛健、硬派な男子校として知られるが、「変わります!横浜高校」をキャッチフレーズに79年目で初めて女子を受け入れる。

共学を機に制服がブレザーになるのではとウワサされたが、「横浜高校は学ランでしょ」との声が、OB、同校ファンから多数寄せられ、男子は従来通り詰め襟になった。「男子がブレザーなら女子もブレザーだが、男子が詰め襟なら女子はセーラー服じゃないか」など侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末、女子は後ろ姿はセーラー服、前から見るとブレザーというセーラージャケットとなった。入試広報部長の館山和央教頭は「調べ切れていませんが、(導入している高校は)ほとんどないはずです」と話す。

女子にとって志願校選びで制服は必須条件。「制服コレクション」という制服紹介のリーフレットを作り、女子受験生向けに8月に行う説明会では、制服ファッションショーも実施する。「展示やバーチャル試着をする学校はありますが、ファッションショーはないと思います。目玉企画です」(館山教頭)。

募集人数は男子350人から男女450人になる。男女枠はなく「女子が男子を上回る可能性もなくはありませんが、女子は150人前後と想定しています」。女子トイレ、更衣室などの整備も進み、校舎の外壁も明るくおしゃれなレンガ造りにした。部活も硬式野球部はさすがに男子のみだが、軟式野球部などは女子OKになる。「質実剛健の校風が変わってしまうのでないかという声もありますが、『変わります!』なので。グローバル化、男女共同参画の時代に合わせた学校づくりを進めていきたい」(館山教頭)。松坂も筒香も驚く横浜高校になりそうだ。【中嶋文明】

 

◆共学化 少子化と共学人気で、男子高・女子高が減少し、共学が増加している。全国的な集計はないが、東京都私学行政課によると、都の場合、私立男子高は08年度の41校から18年度は31校に、女子高は93校から82校になった一方、共学は99校から117校に増加した。甲子園優勝校も例外でなく、00年度以降、日大桜丘(01年度)早実(02年度)龍谷大平安(03年度)上宮(11年度)呉港中(13年度)岩倉(14年度)関西学院、育英(15年度)法政二(16年度)桐蔭学園(18年度)が共学化。今も男子校として残るのは横浜のほか、慶応、明星、崇徳、報徳学園だけになっている(優勝時は共学の興国を除く)。