「けいおん!」などの人気作で知られるアニメ制作会社「京都アニメーション」の京都市伏見区のスタジオで18日、放火火災が発生した。

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京都アニメーションは、09年「けいおん!」など近年、社会現象的な人気を巻き起こしたアニメを次々と世に送り出し、関係者やファンの間では“京アニ”の名で親しまれた人気アニメ制作会社だ。

京アニは、手塚治虫氏のアニメスタジオ「虫プロダクション」で仕上げを担当した八田陽子専務が、81年に作ったアニメの仕上げグループを母体に85年7月に京都府宇治市で創業。スタジオジブリの89年「魔女の宅急便」、91年「おもひでぽろぽろ」、92年「紅の豚」など大手アニメ制作会社の作品の仕上げ、制作協力を行う中、丁寧な仕事ぶりが業界で高く評価された。

90年代に自社制作機能を高め、06年に「涼宮ハルヒの憂鬱」、07年に「らき☆すた」が相次いでヒット。「らき☆すた」の舞台・埼玉県久喜市の鷲宮(わしのみや)神社がファンが足を運ぶ“聖地”となり、婚活まで行われた。09年には女子高生バンドを描いた「けいおん!」が映画化もされる大ヒットとなり、中高生女子にガールズバンドブームが起きるなど社会現象的な人気を巻き起こした。

原作ものは作品を忠実にアニメ化し、人間描写のみずみずしさ、実写のような美しい背景など質の高い作品を支持するファンは多数いた。全焼した京都市内の第1スタジオも、ファンが足を運び、SNSなどの写真を投稿する名所だった。京アニ全焼のニュースは、アニメファンによって全世界に拡散され「#prayforkyoani」(京アニのために祈ろう)というハッシュタグを付けたお見舞いのツイートが多数、寄せられた。