台風19号の影響で、10月22日から2週間延期された、天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」が明日10日、都内の皇居周辺で行われる。警視庁は、警視総監をトップとする最高警備本部を設置し、皇居宮殿から赤坂御所までの約4・6キロの警備に、約2万6000人を投入。沿道の29地点40カ所で手荷物検査を実施するなど、最高レベルの厳戒態勢を敷く。

「祝賀御列の儀」では、天皇、皇后両陛下が乗る黒のオープンカーは、午後3時に皇居・宮殿を出発し、赤坂御所までの約4・6キロの道のりを約30分かけて進む。警視庁は公式サイトで、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で警備に関する情報を発信。(1)時間に余裕を持って沿道に来ること(2)パレードを観覧するためのブースを設営(3)ブースに案内する過程で持ち物検査を行うことなどを呼び掛けている。

警視庁がピリピリモードを高めるのは、予想される「大混雑」だ。1993年(平5)6月9日に行われた両陛下のご成婚パレードは、皇居から東宮仮御所までの約4・2キロの沿道に、19万1500人が駆け付けた。当時の大混雑を踏まえてか、「祝賀御列の儀」では、観客の持ち物検査も余裕を持った時間から始める。皇居周辺はでパレード開始7時間前の午前8時から、警視庁付近は同11時から、国会前から赤坂御所の間は、正午から始める。

周辺の一般道も、午前7時~午後4時半、時間ごとに車両通行止めとなる。首都高都心環状線や4号線の一部も通れなくなる。その中、ご成婚パレードでは29台だった車列を、今回はほぼ倍の約50台に増やす。

さらに、警視庁は広報課の公式アカウント(@MPD_koho)で、観覧場所の混雑状況を発信する初の取り組みも行う。「まだ入れません」「空いてます」「大変混雑しています」「満員です」などと状況を色分けした地図を投稿し、観覧する人を誘導する。同アカウントは、来場には公共交通機関を利用するよう求め、地下鉄の駅から手荷物検査場所への案内図を警視庁ホームページで掲載している。東京メトロ桜田門駅、永田町駅、赤坂見附駅、青山一丁目駅の一部出入り口が閉鎖される。

「祝賀御列の儀」当日の天気は晴れで、気温は11度から18度と予想されている。