東京・池袋の都道で4月、乗用車が暴走した事故で、松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)を亡くした夫(33)ら、交通犯罪で家族を奪われた遺族が集まった、関東交通犯罪遺族の会(あいの会)が20日、国土交通省で赤羽一嘉国交大臣(61)と面会後、会見を開いた。

あいの会の小沢樹里代表は会見で、赤羽国交大臣に高齢者の運転について8点、ドライブレコーダー義務化について2点、計10点の要望を提出したと明らかにした。

<高齢者の運転について>

<1>自動運転車普及の目的は、経済発展より前に交通安全であることを周知

<2>自動運転等は、運転者の責任回避の理由にはならないとの注意喚起

<3>自動運転車での事故発生時に、第三者委員会による原因究明を制度化

<4>自動運転車以外の安全施策に対しても、経済的支援を拡充

<5>マニュアル車の推奨

<6>歩車分離の将来的な導入に向けた推進活動

<7>地方での公共交通機関の拡充

<8>医師診断査定を必須とする高齢者限定運転免許の導入

<ドライブレコーダー義務化>

<1>ドライブレコーダーの全車両設置義務化

<2>ドライブレコーダーの記録データの、活用範囲の拡大

小沢代表は「すぐに大臣がおっしゃったのは『高齢ドライバー対策は急務』ということ。命の重みを大臣が感じてくれたんだなと、ありがたいと思った」と、赤羽大臣の丁寧な対応に感謝した。面談は48分間に及んだとした上で「全員が遺族の意見をしっかり聴いて下さったのはありがたい。遺族の思いが、国も汲んで発信する姿勢を示してくれたことに感謝」と語った。

松永さんの夫は、赤羽大臣に地方での公共交通機関の拡充などについて意見を述べた。松永さんの夫は「今回(4月)の事故は都内…レベルは違うと思っているが一般的に、なかなか地方で免許返納が進まないのは、車がないと生きていけない、生活できないから。地方で免許返納しても、高齢者が生きていくためには公共交通機関の拡大が重要」と説明した。その上で「同じような認識を持って下さっていて『地方の公共交通機関は何とかしなくてはいけない』と、おっしゃった」と振り返った。【村上幸将】