元衆院議員で、農相や防衛庁長官を歴任した玉沢徳一郎氏(81)が10日、岩手県盛岡市の自宅前で、男に拳銃で撃たれたことが分かった。親族によると、足を撃たれたが、命に別条はないという。

県警は銃刀法違反(加重所持)の疑いで、回転式拳銃1丁と実弾を持ち岩手県警盛岡東署に出頭した岩手県奥州市の農業、高橋脩容疑者(82)を現行犯逮捕した。関係者によると、2人の間には金銭をめぐるトラブルがあったといい、同容疑者は「選挙の恨みで撃った。金銭トラブルがあった」と供述しているという。

容疑者と同姓同名で、高校時代の同級生という男は16年6月、自身のツイッターに「『玉沢 徳一郎』に告ぐ」という告発サイトを開設したと記し、金の貸し借りをめぐる経緯を記している。72年に、1000万円を選挙資金として貸し付けたが返済されていないと主張。玉沢氏を提訴したが、時効のため請求は棄却された経緯が記されている。

玉沢氏は岩手県出身。早大雄弁会出身で、76年衆院選で初当選。村山内閣で防衛庁長官、小渕内閣で農相を務め、9回当選した。自身が支部長を務めた自民党支部の領収書をコピーして偽造したとして、元秘書が07年に政治資金規正法違反などで有罪判決を受けたこともある。