安倍晋三首相は27日の衆院予算委員会で、昨年4月、後援者を集めて都内のホテルニューオータニで会費5000円で開いた「桜を見る会」の前夜祭で、高級すし店「久兵衛」のすしが供されたと、野党から指摘されたことに関して、事実とは異なるとの認識を示し「久兵衛は大変お怒りだったと伺っている」と、主張した。

質問した黒岩宇洋衆院議員に対し「黒岩さんが流布したデマ」「まったくのデマだった」と、主張した。

これに対し、黒岩氏は「断言はしていない。こういうものが出ているかもしれないと。議事録を確認してもらってもいい」と反論。前夜祭会場の写真にすしが写っていたとした上で、ニューオータニ側への調査から「仮にすしが出ているとすれば、この会場で出るなら久兵衛だと(聞いた)」と指摘。「小さなことで、むきになっている。大変、嘆かわしい」と首相の姿勢を批判。明細書についても「見ていない」と述べるなど、積極的に調査する姿勢を見せない首相の対応を批判した。

「小さなことで、むきになっている」と言われた首相は、さらに反論。「高いすしが(会費5000円の会合で)出されていたら、おかしいと思われる。御自身が間違われたことだ」と黒岩氏を批判したが、前夜祭をめぐるそもそもの疑惑については、従来の説明を繰り返すにとどめた。

一方、前夜祭に関して、黒岩氏の後に質問した今井雅人議員は、ホテル側に確認したとして「おすしを添えないでも、5000円で会合をやるのは難しいとのことだった」と指摘した。

これに対し首相は「ホテル側は一部のマスコミに、ひとり5000円でやることもあると答えている。一見の客と何度も使う客では、相手によって(ホテル側の対応が)違うのではないか」などと、反論した。