新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ3月31日までに、一部の個室型「出会い喫茶」も休業を発表した。

都内で10年以上営業しているという、ある出会い喫茶では公式ホームページやツイッターで、グループ2店舗を同30日から4月5日まで臨時休業すると告知した。「新型コロナウイルスによる感染症拡大防止のため」としている。

個室型出会い喫茶とは、店内にある複数のブース内で不特定の男女が会話などをして「出会う」業態。一般的に、ブースは天井部分はあいているが、高い壁で囲われて個室状に区切られている。男性客が各ブース内のソファや椅子に座って待ち、そこに、店を訪れた女性が入ってきてトークが始まるシステムだ。

ブースにいる男性客は1人の女性と長時間会話することもあれば、複数の女性と次々話すこともある。またソファや椅子においては、男女が密着に近い状況になったり、至近距離で会話する状況になりやすい。そのため新型コロナウイルスの感染リスクが高まるとされる「近距離での密接会話」や「換気の悪い密閉空間」に該当しやすい営業形態とみられていた。

小池百合子都知事は30日夜、緊急会見を開き、ナイトクラブなどの「接客」をともなう飲食店で感染が多発していることを明かし、そうした店の利用自粛を呼び掛けた。

個室型出会い喫茶を複数回利用したことがある都内の40代男性は「小池知事は会見で出会い喫茶には直接言及しなかったようですが、不特定の男女が換気の悪い密閉空間で、近距離密接会話をするという業態が、利用自粛を呼び掛けられた『接客をともなう飲食店』に似ている。実際、個室型出会い喫茶では、いくつもあるブース内で空調が決して良くない中、見知らぬ男女が密着するような状況で長時間会話します。新型コロナ感染リスクを考えると、当面の休業は妥当な判断と思います」と話した。

出会い喫茶は大きく分けて、「個室型」と通称「マジックミラー型」の2種類の営業形態がある。マジックミラー型は、広いスペースがマジックミラーで男性エリアと女性エリアに仕切られている。男性がマジックミラー越しに女性を「指名」し、ブースに移動して短時間会話し、外出の有無を決めるシステムだ。常時ブースに男性客が滞在する「個室型」とは形態が異なっている。

出会い喫茶は「出会いカフェ」「出会い系喫茶」などともよばれ現在、風営法において「店舗型性風俗特殊営業」の「6号営業」に分類されている。