大阪府の吉村洋文知事(44)は8日、新型コロナウイルス特措法に基づく休業要請の段階的解除にする独自基準「大阪モデル」を府民に知らせるため、大阪のシンボル・通天閣(大阪市浪速区)とのコラボを発表した。府庁で記者団の質問に応じた。

吉村知事は「大阪モデルの数値をできるだけわかりやすく府民のみなさんに伝えていきたい。通天閣と太陽の塔でライトアップします」と明かした。

府のホームページで毎日、発表する「大阪府新型コロナウイルス警戒信号」の数値をもとに通天閣では11日から警戒レベルは「赤」、注意喚起レベルは「黄」、基準をクリアしているときは「緑」でライトアップする。通天閣は「通天閣観光」が運営する民間会社。吉村知事は「協力をいただいた通天閣観光のみなさんにはホント、感謝です」と深々と頭を下げた。

「大阪モデル」はPCR検査で判明した陽性者の割合や、感染者向けの病床使用率など3項目で目標値を設定し、1週間連続で達成することを条件とする。吉村知事が15日に解除の可否を判断する予定。

通天閣のライトアップには大阪府の広報担当副知事を務めるマスコットキャラクター「もずやん」も“参戦”する。通天閣の東側に表示されているLED時計の部分に「もずやん」が登場する。「緑」のときは「笑顔」のもずやんの顔、「黄」のときは「すまし顔」、「赤」のときは「泣き顔」が表示される。

「もずやんも大阪のシンボル。顔をつけたら府民のみなさんにもよりいっそう親しんでいただけるかも」と吉村知事。会見中、もずやんの“参戦”プランは通天閣観光の高井隆光社長(45)の提案だったことを知らされ「ほんとに、もう、ありがたいですね。われわれには願ったりです。通天閣の社長さん、ありがとうございます!」と笑顔で感謝した。

高井社長は日刊スポーツの取材に「府の方と相談しているとき、黄色のときのもずやんの顔にダメ出しをしましてん。ちょっと表情が笑っているように見えたので、注意レベルなのに真剣度が足りないと思って、もっと『すまし顔』がええんちゃいますかって」。通天閣は4月9日から臨時休業が続いている。例年ならゴールデンウイーク中には通天閣には約5000人が訪れる。コロナ禍で大打撃を受けているが、吉村知事からの協力要請に高井社長は「こっちもおとこ気です。無償で協力させていただきます。1日も早い経済活動の復活に向けての士気を高めていけるきっかけになればと。通天閣の本気度をみてもらうために通常はライトアップは午後11時までですけど、24時間、点灯し続けます。昼間は見えなくてもええんです。通天閣からの強烈なメッセージですわ」と意気込んだ。【松浦隆司】