岩手・八幡平市の「上坊牧野(うわぼうぼくや)の一本桜」は、標高2038メートルの雄大な岩手山を背に咲き誇る。100ヘクタールを超える広大な放牧地の真ん中に、華麗な姿のカスミザクラ。

満開を迎えた11日は、岩手山に雲がかかっていたが、それもまた風情があった。同市内でペンションを営む女性は「岩手では小岩井農場の一本桜が有名ですが、私はこの桜が一番好きです。多くの人に見てほしいです」。牧草地への立ち入りは禁止だが、遠くから写真撮影する人は絶えない。ヤマザクラのように花と葉が同時に成長していくため、満開でも少し緑がかって見えることも特徴だ。