大阪府の吉村洋文知事(44)が18日、新型インフルエンザの特措法に基づく緊急事態宣言の発令や解除の権限について、政府ではなく全国の都道府県知事にした方が良いとの“異議”の声を上げた。

21日をメドに安倍晋三首相が緊急事態宣言を継続している東京、大阪など8都道府県について、解除するかどうかを判断する方針だが「いま、安倍総理がどこと、どこの緊急事態宣言を解除するのかを決めているが、それが果たしていいのかなと思う。変えていくべき」と主張した。

府庁で質問に応じた吉村知事は「緊急事態宣言に基づく府民のみなさんへの行動への働きかけだとか、休業要請は知事の権限になっている。緊急事態宣言の部分だけを国が出す、対策は知事が取る。これだと、だれが最終責任者かが、よく分からない」と指摘した。

“異議”の根拠として「その地域がどう危険な状態なのかは地域によって違う。その地域のことは知事のほうが国よりも適切に判断できる」と主張した。

吉村知事が「ポンコツ法律」と指摘する特措法では、緊急事態宣言を発出するのは首相の権限だが、実際に自粛や休業要請をするのは都道府県知事となる。一方で緊急事態宣言発令に伴って改定された「基本的対処方針」では、国は必要な場合は知事に「指示」を出す権限があり、“待った”をかけることができる。特措法には国と地方との「権限」のあいまいさがある。

このあいまいさをめぐり、吉村知事は5月上旬、新型コロナウイルス対策の「出口戦略」で、西村康稔経済再生担当相とのバトルが発生。スピード決着したが、バトルの結果、国から「休業要請の解除は知事の権限」との“言質”を取った。今回は緊急事態宣言の解除をめぐっての“異議”となる。