5月6日の夜、東京都内の自宅にいると、外からゴロゴロと雷の音が聞こえてきた。インターネットで雨雲を確認すると、猛烈な雨が降りそうだ。もしかしたら雷が撮れるかもしれない。興味本位に駆られ、三脚とカメラをベランダに出した。どこで雷が光るか見当もつかないが、カメラをセットし、レリーズを握り夜空をうかがった。

雲は太陽の光で暖められた、地面の湿った空気が集まったものだ。雲の中の水滴は、高い空に登っていくと氷の粒に変わって少しずつ大きくなっていく。大きく重たくなった氷が地面に落ちていく際に、氷の粒とぶつかって静電気が起こる。貯まった電気を地面に逃がそうとして雷は起こる。

編集ソフトで、雷の写真を重ねてみたらそれらしく見えてしまう。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅で過ごさざるを得ないが、そんな中で撮れた写真だ。ここからでも写真は撮れる。今度はどんな風に撮ろうかな。一度味をしめると、作品意欲が湧いてくるのがカメラマンの性だ。次はしっかり撮影方法を研究し臨もうと思う【滝沢徹郎】