東京都の小池百合子知事は7日、新型コロナウイルスの新規感染者が、夜の繁華街に関連する例が目立つとしている問題について内閣府で、西村康稔経済再生担当相、有識者ら関係者と初の対策協議を行った。

小池氏は今後、従業員や関係者らに定期的な検査を行うことや、相談窓口の開設など、「夜の街クラスター(感染者集団)」防止に向けた対応策を取ると表明した。この日、東京では新たに14人の感染者が報告された。

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「夜の街対策」に向けた東京都と国の初の協議は、予定の1時間を超えて約1時間30分行われた。終了後の取材に小池氏は冒頭で「本日、都内の感染者は14人。今日のテーマである夜の街関係者が6人を占めています」と明かした。「濃厚接触者が5人で、そのうち夜の街関連が3人。調査中が9人でそのうち夜の街関連が3人」とも述べ、夜の繁華街での感染拡大に、あらためて警鐘を鳴らした。

都の新たな感染者は4日ぶりに20人を下回ったが、6月に入り、毎日2けたが続く。7日までの感染者は計147人で、そのうち夜の繁華街関連は59人と、約4割。依然、比率は高い。前日6日に感染が確認された26人でも、約6割の16人が夜の繁華街の関係者で、うち12人は新宿エリアにある同じホストクラブ勤務の20~30代の男性従業員。ほかにも4人が夜の繁華街との関連が疑われるという。

小池氏は、今後の対策として「夜の街で働く人たちに定期的な(PCR)検査を受けてもらう」と述べ、相談窓口の設置も表明。チェックリストを守る店舗に張るステッカーの配布にも触れ、「できるだけ早く実施する」と述べた。

小池氏が「夜の街関連」とひとくくりにしたように発信することには、一部店舗から反発の声もある。小池氏は「大変真剣に取り組んでいる業者もいる。そういう方々のやる気をなくすようなことをしないためにも、業者とともにやっていくことで(西村氏と)認識を共有した」と述べた。

東京都は感染拡大の傾向を踏まえ、2日に「東京アラート」を発令。5日夜からは都、新宿区職員、東京都医師会の医師らが、新宿の繁華街・歌舞伎町を巡回して感染予防を訴える取り組みを始めた。ただ夜の街に関する感染者は、感染経路が不明なケースが多いのが現実。実態解明へ、毎日が正念場だ。【大上悟】