都知事選候補で日本維新の会推薦の小野泰輔氏(46、元熊本県副知事)と、吉村洋文大阪府知事(45)が26日夜、リモート対談を行った。維新の副代表として応援に乗り出した形の吉村氏は、東京都知事への期待を聞かれると「東京は別格。東京のかじ取りは日本で一番難しいが、腕次第でいろんなことができる。日本を引っ張っていく、強い東京をつくってほしい」と求めた。

その上で「都知事は仕事が多すぎる気もする。僕なら権限を分散していく。(財政が厳しくなっているなら)みんなにいい顔をしませんという宣言も大事では。経済活動をどう戻し、ウイルスをどの範囲で受け入れるかという方向性を示すのも役割」などの考えも披露していた。

小野氏の出馬については「厳しい戦いなのに踏み出されて、一石を投じていてすごい」とたたえた。小野氏は「無風で終わるのではなく、だれかが都民の選択肢にならなきゃだめだと思った。信念に従って行動するのが大事」「分散型の持続可能な都市に変えていきたい。若者が集まり世界に発信していく都市にもしたい」などと思いを伝えていた。

吉村氏は選挙戦について「小細工はしない。正面突破。ハートに思うことだけを都民のみなさんに訴え、あとは判断をまかせるだけ」とアドバイスしていた。

小野氏からは、あいさつした時の吉村氏の印象について「精悍(せいかん)な青年で、はきはきとしていた。府知事になる前はぼそぼそしゃべっていて、ぱっとしなかったのに」というボールも投げられた。吉村氏は「僕は、政治家に向いてない。しゃべるの得意ではないし。弁護士は書類作るのが大半。学級委員長もやったことないし。演説もどうやっていいか分からない。もそもそしゃべったり、今でも言われるけど、何言ってるか分からないし、考えながらやっている」と返す場面もあった。

18日に告示された東京都知事選(7月5日投開票)に立候補の届け出をした候補者は22人。立候補者は以下の通り。

れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、現職の小池百合子氏(67)、幸福実現党広報本部長の七海ひろこ氏(35)、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)、政治団体代表の桜井誠氏(48)、介護職員の込山洋氏(46)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)、先物トレーダーの竹本秀之氏(64)、歌手の西本誠氏(33)、会社社長の関口安弘氏(68)、NPO法人代表の押越清悦氏(61)、音楽家の服部修氏(46=NHKから国民を守る党推薦)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52=N国推薦)、マネジメント業の斉藤健一郎氏(39=N推)、自営業の後藤輝樹氏(37)、作家の沢紫臣氏(44)、イベントプロデューサーの市川浩司氏(58)、フリージャーナリストの石井均氏(55)、薬剤師の長沢育弘氏(34)、元会社員の牛尾和恵氏(33)政治団体代表の平塚正幸氏(38)、元派遣社員の内藤久遠氏(63)。