現職官房長官の人生相談として永田町で話題を呼んでいたビジネス誌「プレジデント」の「菅義偉の戦略的人生相談」が、25日発売の10月16日号で終了する。首相就任で、多忙を極めてきたため。「感動の最終回」として6ページの総集編を掲載したプレジデント編集部は「いったんお休みし、再開できる日を待ちたい」と話している。

菅氏は高校時代から50年以上、読売新聞の「人生案内」を愛読していることで知られ、回答を隠して相談を読み、自分の答えと回答を比べて「答え合わせ」することを、毎朝の楽しみにしている。編集部が交渉したところ、今年4月、前代未聞の官房長官の身の上相談が実現。見開き2ページ、約2500字。編集部によると「官邸の人は全員読んでいると聞きました」。内閣人事局を通じて官僚人事をコントロールしている菅氏だけに、霞が関の役人にとっても「必読のコラム」になっていたといわれる。

連載スタート時、官房長官会見で「業務の負担にならないのか」と質問され、「全くならない。月2回ですから」と答えた菅氏だったが、首相になってさすがに勝手が違ったようだ。編集部によると、寄せられる相談も増え、ポスト安倍が確実になった今月は10件を超す相談が寄せられた。菅氏も「3人の息子に『すごいな』と言われるんだよ」と楽しみにしていたそうだが、無念の中断となった。

発行元のプレジデント社は来月22日、「前代未聞現役総理大臣のお悩み相談」「超激辛回答が全日本人を奮い立たす」とうたったムック本「第99代総理大臣菅義偉の人生相談」(税別845円)を、緊急発売する予定だ。【中嶋文明】