刃牙で故郷を盛り上げる! シリーズ累計発行部数8000万部超の人気格闘漫画「グラップラー刃牙(ばき)」シリーズで知られる漫画家板垣恵介氏(63)が20日、故郷・釧路市内の阿寒湖まりむ館で阿寒湖温泉観光大使に就任した。

阿寒観光協会まちづくり推進機構から2年の任期で任命された。板垣氏は「観光大使の名を自分がいただけた。今こうして微力ながらも阿寒湖温泉に協力できるということを少し誇らしく思っています」と話した。

釧路市出身の板垣氏は中学3年生のころに国の特別天然記念物マリモで有名な阿寒湖のある阿寒町(05年に釧路市に合併)に移り住んだ。「おふくろがニュー阿寒ホテルで働いていて、この街の片隅で親子の生活が始まりました」。多感な少年時代を同地で過ごしたことを「この土地で受けた影響は、のちの人生を変えるほどの大きなカルチャーショックだったことを覚えています」と振り返る。

新型コロナウイルスの影響を受けて、阿寒湖温泉も観光客が減った。危機を乗り越えるために発足された「阿寒湖刃牙プロジェクト」の呼び掛けに応える形で、板垣氏は昨夏に阿寒湖温泉で「グラップラー刃牙」シリーズなどの原画を展示する「バキ原画展」を開催。ファンら約1800人が会場を訪れる盛況ぶりとなった。

板垣氏は阿寒湖まりむ館内で展示されている等身大のフィギュアや原画を提供している。また同機構もすでに阿寒湖温泉商店街などを会場に刃牙とコラボしたスタンプラリーを実施中(3月9日まで)で、今後は提供された原画をもとにしたグッズ制作も構想中だ。板垣氏は就任に際し「亡きおふくろが知ったら、さぞほめてくれるだろうと思います。感謝いたします、ありがとうございました!」と話している。

 

◆グラップラー刃牙(バキ) 板垣恵介氏が「週刊少年チャンピオン」に91~99年に連載した格闘漫画。地下闘技場のチャンピオン範馬刃牙と、父の範馬勇次郎らがさまざまな格闘家とバトルを繰り広げる物語。「バキ」などの続編や外伝も多数ある。