藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が最上級のA級昇級を目指す、将棋の第80期順位戦B級1組初戦、三浦弘行九段(47)戦が13日午前10時から、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。

先後は事前に決まっており、先手藤井先手2六歩と飛車先の歩を突いたのに対し、後手三浦後手3四歩と角道を開けてスタートした。

藤井は昨年度の前期B級2組を10連勝して昇級、前々期もC級1組でやはり10連勝で昇級している。18年度の第77期のC級1組で近藤誠也七段(24)に敗れたのが唯一の黒星で、この期だけ昇級はならなかった。順位戦で初めて在籍した17年度もC級2組で10連勝し、昇級している。通算39勝1敗と抜群の成績を誇る。

現在、順位戦は21連勝中で、渡辺明名人(37)羽生善治九段(50)脇謙二九段(60)と並んで歴代2位(トップは森内俊之九段=50=の26連勝)。今局に勝てば、単独2位に躍り出る。

対する三浦は、稲葉陽八段(32)とともに前期A級から陥落してきた。96年には当時7冠すべてを保持していた羽生から棋聖を奪っている。A級復帰に向け、簡単に負けられない。

両者の対戦成績は、藤井の2勝1敗。一昨年8月のJT日本シリーズでは敗れたが、同年9月の王将戦挑戦者決定リーグと今年2月の朝日杯決勝で連勝している。

今期のB1は、三浦、稲葉のA級陥落組2人、藤井のほかC1から昇級した佐々木勇気七段(26)と横山泰明七段(40)、前期残留を決めた木村一基九段(47)郷田真隆九段(50)に近藤七段ら8人の計13人がひしめく。A級への昇級は2人、B2への降級は3人。

順位戦はA、B1、B2、C1、C2の5クラス制。1年1期でリーグ戦を行い、成績優秀者が各クラスの定員に応じて昇級する。逆パターンもある。最上級のA級は、成績最上位者が名人への挑戦権を獲得する。頂上対決とも言うべき名人戦7番勝負は進行中で、渡辺名人が挑戦者の斎藤慎太郎八段(28)に2勝1敗とリードしている。

持ち時間は各6時間。13日夜遅くには決着の見込み。