横浜市戸塚区のアパートから逃げ出した体長約3・5メートル、体重約13キロのアミメニシキヘビ捜索は15日、警察、消防、横浜市動物愛護センター職員など100人を超える過去最多人員を配置した。午前中にはアパートのベランダ側に広がる雑木林などが中心。午後は排水溝を通って移動した可能性もある名瀬川のローラー作戦を試みたが、発見には至らなかった。

日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪剛史理事長や、同氏が園長を務める体感型動物園iZoo(静岡県河津町)のスタッフも訪れて協力。普段与えているエサ用の死んだネズミを置いたケースを13日朝から設置していた「おびき寄せ作戦」も、においに誘われて出てきた痕跡は確認出来なかった。白輪氏は「設置から2日経過し、エサが発酵してにおいが多く出てきてくれば、よりヘビが気づく可能性が高くなる。気温が低くてヘビが動きたくても動けないこともある。活発になっても長距離を移動することは考えにくいので、まだ(アパートの)近くにいると思ってはいます」。東南アジアなどに生息する性質も踏まえ、気温上昇も発見のカギとなる。

また、飼い主の20代男性の自宅内も、あらためて捜索した。万が一、逃げていなかった可能性も考慮してのこと。飼い主は、ペット不可の物件だったこともあり、貸主と協議して退去を決断。転居先から同地に来て捜索を続ける意向だ。前日14日に飼っていた他のヘビやワニなど計5匹を譲渡。整理された状態で洗濯機や、ベッドを解体するなど入念に調べ、室内にいる可能性は消えた。

10日目を迎えても目撃情報すらない状況に、近所の住人も「家族もみんな不安が大きくなっています」。一方で「こんなに大人数で何日間も捜したのに見つからないなんて考えられない。本当はヘビがもともといなかった、なんてことはないですよね?」と虚偽を疑ってしまうほど難航している。今日16日以降も、警察などの捜索活動は続くが、ヘビ騒動は謎に包まれてきた。【鎌田直秀】