聖火リレーは30日、福井県の2日目。女子フェンシング・エペで12年ロンドン、16年リオ、そして今回の東京五輪で3回連続日本代表となった佐藤希望(のぞみ、34)がこの日のスターターを務めた。

越前市の武生中央公園多目的グラウンドから公道に出ると「のんちゃーん」と愛称で呼ばれ、沿道には「3大会連続オリンピック出場おめでとう」の文言と名前のプリントされた横断幕も出て、佐藤は大きく手を振って笑顔でこたえた。

結婚前に挑んだロンドン五輪では2回戦敗退、結婚して長男匠くん(7)を出産してから臨んだリオ五輪ではロンドン五輪の金メダリストを撃破して8位に入賞した。そして、次男旬くん(3)を産んで東京五輪ではメダル獲得にチャレンジする。

佐藤は「長男の面倒をみてもらっていたので、母(中野雅代さん=63)に日本で留守番をしてもらった」と語り「東京なら五輪の試合を母に見てもらえるかもしれないから、引退するのをやめた」と母への思いを口にした。

匠くんは2年前からサーベルを握ってフェンシングの練習をするようになった。「メダルほしいですね」とトーチを握りながら東京五輪での躍進を誓った。

◆30日の聖火リレー 福井県2日目で越前市からスタートして永平寺や坂井市を経由して福井市で8市町を巡った。この日のアンカーは福井市出身の俳優津田寛治(55)だった。

31日は石川県に入るが、公道は使用はせずトーチキスのみのセレモニーとなる。金沢城公園の三の丸広場、6月1日は七尾市の和倉温泉湯っ足りパークで、観覧は関係者だけで無観客での開催となる。聖火をつなぐのは水泳の飛び込み競技で08年北京、12年ロンドン五輪に出場した中川真依さん(34)、そして鋭い眼光から“野獣”のニックネームのついたロンドン五輪の柔道56キロ級金メダリスト松本薫さん(33)が参加する。