各種メディアに出演し、新型コロナウイルス感染拡大の中での医療現場の現状を紹介し、必要な対策などを訴え続けている、インターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)の倉持仁院長が18日午前1時22分に、YouTubeチャンネルを開設した。同医師は第1回の動画を配信した中で、20年3月ごろから感染拡大が進んだ第1波と呼ばれる状況の中、今では民間でも行っているPCR検査が行政検査として、保健所が必要だと認めた場合のみしか検査できなかったと指摘。そうした状況に対し「最低限の検査が出来ないのか? ということで非常に憤りを感じた」ことが、自身の行動の始まりだったと語った。

倉持医師は、冒頭で

「これから、コロナの話題を中心に、医療の現状について最前線で気付いたこと、分かったこと、それから今後、行わなければいけないことについて、お話をさせていただきたいと思います」

「これから現在のコロナ禍において、我々が毎日、見ている現状や、それにどういった問題があるか。それに対する対策や自分たちが行っていることについて、少しずつでも一般の方々に分かっていただけるような現状をお伝えする目的でYouTubeを始めました」

と、YouTubeチャンネル開設の意図を説明した。その上で、自身のキャリアや、日本における、コロナ禍の経緯について、まず第1波から説明を始めた。

倉持医師は「日常生活の中で問題視されて、いろいろな対策をしなければいけないんじゃないか…当時、問題となったのはPCR検査態勢。当時、PCR検査は基本的に、重症例に限って行えば大丈夫だと。軽症者は無症状者も多いですから、重症な人にだけ検査をすれば良いということで、感染者が出た場合に、その周辺の濃厚接触者に限ってPCR検査を行えばいいというような状況でした」とPCR検査が重症者しか出来なかったと説明。その上で「当時、コロナに対するPCR検査は行政検査として、保健所の方が必要だというふうに認めた場合のみ検査が出来るような状況でした。実際に中国から帰って熱があるという方も、浙江省や湖北省から帰ってきた方しか検査は出来ませんよ、という状況。そういった中で、中国から帰られた方が、残念ながら私のクリニックを受診しても簡単には検査できない」と振り返った。

そして「国内でも記憶に残るのが、タクシーの運転手の方で感染者が出たとか、あるいは屋形船に乗って感染したという方がクリニックに来たのですが、当時は保健所さんと3、4時間お話しして検査が必要ではないですか? と言っても、なかなか検査が出来ない状況。なんで必要な患者さんに、最低限の検査が出来ないのか? ということで非常に憤りを感じたのが始まりでした」と、医師としてPCR検査が出来ない状況に怒りを覚えたと吐露。「日常の臨床を通して、医療現場で思うようにPCR検査をさせてもらえないということに対して怒りを覚えて、いろいろなメディアに出たり、どういった点が問題点か、話しだしたのが始まりでした」と語った。