将棋の藤井聡太王位(棋聖=19)が25日、徳島市「渭水苑」で行われた「お~いお茶杯第62期王位戦7番勝負第5局」で初防衛を果たした。24日午前9時からの2日制で同所で行われた対局は、25日午後4時47分、77手で先手の藤井が挑戦者の豊島将之竜王(叡王=31)に快勝した。初戦こそ落としたものの、第2局から4連勝。対戦成績4勝1敗として王位を防衛するとともに、7月の棋聖に続いてのダブル防衛を果たした。

敗れた豊島は、「封じ手(46手目後手3三桂)の局面で自信がなかった。その前の後手4四角(44手目)が良くなかったか。後手8四飛(52手目)でダメにしてしまった」と天を仰いだ。

第1局は快勝し、3年ぶりの復位に好発進したかにみえたが、その後は4連敗。「中盤の難しい局面でいい手が指せなかった。競ったスコアにできなかった。実力をつけて戦わないと」と課題を口にした。

王位戦7番勝負は敗れたが、藤井の挑戦を受けて初防衛を目指す叡王戦5番勝負は、2勝2敗で最終第5局(9月13日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」)を迎える。「こちらは頑張りたい」と話した。