将棋の藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)が豊島将之竜王(31)に挑戦する、第34期竜王戦7番勝負第4局が12、13の両日、山口県宇部市・ANAクラウンプラザホテル宇部で行われ、後手の藤井が豊島を破り、開幕から4連勝で竜王を奪取した。

これで将棋界にある8つのタイトルのうち、半分の4冠を同時に保持。羽生善治九段(51)の22歳9カ月の最年少4冠の記録を28年ぶりに更新する19歳3カ月で4冠となり、史上初の「10代4冠」が誕生した。

 

◆竜王戦 九段戦、十段戦を発展的解消し、1988年(昭63)に創設。優勝賞金4400万円は将棋界最高金額。1~6組に格付けされたランキング戦(予選)を行う。1組の上位5人、2組の優勝者と2位、3~6組の優勝者の計11人による決勝トーナメントを行い、決勝進出両者による3番勝負で挑戦者を決める。決勝トーナメントでは、勝ち上がりの段階での対局料が明記される。竜王と挑戦者は例年10~12月に7番勝負を行う。89年にはタイトル戦初登場の羽生善治が、当時の最年少記録となる19歳3カ月で竜王を獲得。その羽生は08年に挑戦者として3連勝しながら、渡辺明竜王(当時)に4連敗という史上初の大逆転負けを喫した。18年には広瀬章人八段に敗れて竜王を失い、27年ぶりの無冠となっている。かつては、国際線直行便のある都市での海外対局も開催していた。